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茨城大学農学部飼料資源科学研究室公式ブログ。研究内容、教学支援、講義内容などを発信していきます。
by atsutoyoda
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つくば国際大学非常勤7回目、栄養研究の今後

今日は非常勤最終日でしたが午後3コマ通しでやりました。厚生労働省の報告書である「日本人の食事摂取基準」(2010年版)の演習が一通り終わりました。15コマではすべての項目を丁寧に演習することはできないのですが、学生さんの努力もあり乗り切ったという感じです。本来であれば文部科学省の「日本食品成分表」(2010年)も演習するつもりだったのですが、とても時間が足りませんでした。この「食品成分表」を活用して、食事摂取基準に合致した献立を作製するトレーニングが必要なのでしょうが、私では少々、役不足だったかもしれません。基礎的な話題に終始してしまった感はあります。

私も今回の演習のために「日本人の食事摂取基準」を一から勉強したのですが、ヒトの栄養学は分かってないことだらけですね。また日本人の栄養状況に関するデータ、文献がないので、海外、特にアメリカ、カナダの文献を引用するケースも目立ちます。「日本人の食事摂取基準」には付録の「参考文献は語る」(東京大学大学院佐々木敏教授)に2010年版の食事摂取基準の策定で心がけたことについて書かれています。非常に良いことが書いてありましたので、引用したいと思います(少々改編させていただきました)。


「食事摂取基準は、日本人の食事の基本になる考え方と数値を示すものですから、質の高い情報(論文)を用いなくてはなりません。だからこそ、(参考)文献にこだわったわけです。」

「参考文献をたくさん並べればそれで質の高い食事摂取基準が出来上がるわけではありません。数が少なくても大切な(質の高い)論文を効率よく使って策定された章もあります。」

「(今回の策定で用いた参考文献で)日本人を対象とした研究は、全体の27%でした。食事摂取基準の目的を考えれば、この数字がもっと大きくなってほしいと願うのは私だけではないでしょう。」

「(参考文献は)過去10年以内のものが半数以上を占めていて、近年の栄養学の進歩の目覚ましさを目の当たりに感じることができます。」

「食事摂取基準は参考文献から作られたものです。このことは、『研究成果がない限り、食事摂取基準はできない』ことを示しています。」

「食事摂取基準はの信頼度を上げ、使い勝手の良いものにするためには、質の高い人間栄養学の研究を数多く行う以外に解決策はありません。」

「日本人の食事摂取基準(2015年版)の出来栄えは、今この本を手に取っているあなたの研究への積極的、献身的な協力にかかっているといっても過言ではないでしょう。」


栄養を研究する者にとっての檄文です。



【参考】
「日本人の食事摂取基準」(2010年版)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/sessyu-kijun.html

「五訂増補日本食品標準成分表」
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/toushin/05031802.htm
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by atsutoyoda | 2012-02-02 20:19 | 教育
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