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茨城大学農学部飼料資源科学研究室公式ブログ。研究内容、教学支援、講義内容などを発信していきます。
by atsutoyoda
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論文数が減るわけ

昨日の朝刊の科学技術欄に、日本の論文数が伸び悩んでいるという記事がでていました。もう聞きなれた話題ですが、このままどんどんアウトプットが減っていくと、いつかこの国の科学技術はへたるのであろうなとは思います。この件については、国立大学財務・経営センターの豊田理事長がブログで書かれていますから詳細はそちらに譲ります。科学技術政策的なことはともかくとして、現場の我々教員は日々どうしたらいいのか考えます。

私は20代の助手時代からこの大学にお世話になっているのでこの15年ほどの変遷がよく分かります。研究費は15年前も微々たるもので外部資金に頼らないととてもじゃないけど研究できませんでした。これは今でも変わりません。しかし研究設備は15年前より格段に良くなりました。15年前は電気泳動装置と老朽化した低速遠心機があるだけでしたので、遺伝子実験施設がある今とは雲泥の差です。ラボもそれなりに機器がそろいました。これはありがたいことです。何が一番変化したかといえば、スタッフ数と研究に割く時間の減少でしょう。厳しい就活を戦わないといけない学生の研究時間も大幅に減りました。

研究に従事する人と研究時間を増やせばいいわけですが、人材を増員するというのはもはや今の日本の状況では理解が得られないでしょう。私たち教員の研究時間というのは睡眠時間でも削らない限り捻出は難しそうです。研究以外の業務を廃止したり簡素化するということは可能でしょうが、地域貢献や高大連携など大学の機能がブロードになってしまうと逆戻りが難しい気もします。であれば、学生の研究時間を増やすしかないはずです。如何に自主的に研究する学生を育てるか。そこにこの国の科学技術の将来がかかっていると思えます。学生と接するときは、彼らが日本の科学技術を背負って立つことをもっと意識したほうが良さそうです。すくなくとも早々に就職を決めることだけが目的となった高等教育の現場からは未来が見えてこないでしょう。日本に就職の場所が無くても海外で通用するのでまったく困らないというような学生を育てるしかありません。そういう覚悟は私たち教員にも必要だと思えます。10年後に今のポジションがあるという保証はどこにもありませんから。


【参考】
「ある地方大学元学長のつぼやき」
http://blog.goo.ne.jp/toyodang

「アジアの科学技術競争(2) 日本、伸び悩む論文数 中国、質量とも抜く」(2012/1/24付日本経済新聞 朝刊)
http://www.nikkei.com/news/article/g=96959996889DE1EAE0E1E1EBE6E2E0E1E2E3E0E2E3E09997EAE2E2E2
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by atsutoyoda | 2012-02-07 18:42 | 大学
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