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茨城大学農学部飼料資源科学研究室公式ブログ。研究内容、教学支援、講義内容などを発信していきます。
by atsutoyoda
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カテゴリ:教育( 96 )


佐藤英明先生学士院賞受賞

ブログ管理人の学部学生時代の恩師で東北大の佐藤英明先生が学士院賞を受賞されました。つい先日、英明先生(佐藤先生ではなく英明先生と呼ばせてください)の最終講義を聞いてきたところで、そのあとじっくりお話する機会を持てました。300年後の畜産を考えよというメッセージを頂き、我々のような中堅を発奮させるような講義内容でした。先生には20年以上もご指導いただいており、最近では若輩理事として畜産学会の運営についてご相談することも多いのです。また、英明先生のラボでスタッフをやっている星野由美さんがうちの講座の卒業生なのですね。星野さんは学部生の時から人一倍チャレンジングで努力の人でしたから、英明ラボに大学院進学して評価されたのでしょう。卒業生が偉大な恩師に評価されるというのもうれしいものです。

管理人が学部学生時代に英明先生は京大畜産学科の生体機構学研究室の助教授をされていましたが、わたしが学部4回生になるときに、東大医科研に移られました。そこで私は医科研に出向いて進路の相談をしたことがあります。畜産学から神経科学に専門をシフトしたいという相談をしたのですが、英明先生は厳しい現実を指摘しながらも、「君みたいなキャラクターの人は一度外の空気を吸ったほうが良い」と言われ、エンカレッジされたことを思い出します。英明先生も「私も医科研に来て、新たにチャレンジするんだ」と仰られていました。先週、お会いした時にも医科研で過ごした4年間がご研究の分岐点だったと仰っていました。私にとってもあの医科研での相談が分岐点になっています。縁があって農学部に戻りましたが、一度外の空気を吸わなかったら今の自分は無かったでしょう。偉大なメンターの受賞を誰よりも喜んでいます。


「日本学士院賞に松浦氏ら9人」(朝日新聞デジタル)
http://www.asahi.com/culture/update/0312/TKY201303120259.html
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by atsutoyoda | 2013-03-13 23:22 | 教育

論文発表会

今日は卒論発表会でした。動物系の7つの研究室が合同で発表会を催すのですが、各研究室の個性が出て面白いです。卒論発表後の学生の行動も興味深いものがあります。発表を終えるとすぐさま研究を終了する人と、往生際悪く?年度末ギリギリまで頑張る人がいます。今日は修論審査を終えたOくんがやってきて、もうひとつ実験をしたいと言い出したのでびっくりしました。すでに修論には間に合わなかった実験を今ひとつやっているところなのですが、さらにもう一実験やりたいというのですね。ある農産物の給与試験なのでそれなりに手間がかかるのですが、3月末までやりたいそうです。Oくんには失礼ですがこれは意外でした。教員冥利につきる瞬間ですね。あとの卒業「予定」メンバーもギリギリまで頑張るみたいで頼もしいものです。こういう先輩の姿は後輩に影響するだろうと思います。こうしたちょっとした積み重ねがラボや講座の文化を作っていくのかなと思います。PI2年目なので分かりませんが、良い流れであることは間違いないです。

再来週末は文科省のサイエンス・インカレ、年度末は学会発表が待っていますから、気が抜けないということもありますが、残されたアカデミアでの貴重な時間を存分に活用していただければと思います。
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by atsutoyoda | 2013-02-14 23:57 | 教育

新人さん

研究室に新人さんの学部3年生が3名入って来ました。今日は個人インタビューをしました。これから一年、何を研究していこうかディスカッションするわけですが、まだまだ右も左も分からない3年生にとって研究テーマを見つけてくるのは大変なことでしょうね。管理人が研究テーマから実験計画などすべて決めてマイクロコントロールで指導しても良いのですが、それはやめています。むかしはそれに近いことをしていましたがやめました。今は、管理人が研究の大枠は示しますが、むしろ自分で考えてくれという態度です。逆にこれが学生にとっては厳しいのかもしれませんが、このご時世、自分でものを考えられない学生を大量に輩出しても具合よくないでしょう。研究の進捗は度外視してそうしています。放牧的教育といううまい言葉を使った大先生がいます。もちろんディスカッションは随時するので変な方向に研究が進むことはありませんが、うまくいく場合とそうでない場合がありますね。学生によってはマイクロコントロールしないとダメなケースもあります。教育スタイルは学生によって使い分けないとダメですね。

大学や学部改革を急ピッチで進めるよう求められているわけですが、研究現場での教育改革はどうすべきか悩みますよね。就活や講義が圧迫して、非常にウエイトが小さくなってきたラボでの実験研究教育のノウハウというのはもっと教員同士で議論して情報交換しても良いと思います。
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by atsutoyoda | 2012-11-08 22:47 | 教育

「強い文教、強い科学技術に向けて」

財務省神田主計官の書かれた「強い文教、強い科学技術に向けて 客観的視座からの土俵設定」を読み終えました。初等教育や芸術、スポーツの章は飛ばしましたが(もっともこれはこれで興味ありますが)、高等教育、科学技術のあり方についてはじっくり読ませていただきました。「平成24年度文教・科学技術予算のポイント」の理解も深まりました。まず、400ページ近い本書の冒頭、濵田東大総長と国立大学についての対談なのですが、印象深い発言をリストしてみましょう。全て主計官の発言ですが、国立大学への問題提起になっています。

大学が社会が期待している人材を必ずしも供給しきれていない。

それぞれの国立大学が、研究、教育、産学連携、地域貢献、国際化などの主要な活動にどう力を配分するか、そのポートフォリオをしっかり作って、それに見合った質の活動をしているかということを国民に説明していくことが大切。

学部間の縦割りや意思決定の重さが問題視されることが少なくありません。また、学部と大学院の関係、教育と研究の関係、社会ニーズに対応した新分野の研究組織をどう考えるかという問題もあります。

(大学予算に関して)これは後世の世代への借金によるものであり、もう限界です。

どれも厳しいところをついてきますね。子や孫に借金して今の教育を成り立たせているという指摘はとくに重い言葉です。また、社会ニーズにあった新分野の研究組織の構築などはこれからの大学改革のトピックになるでしょうが、学会の縦割り構造の問題などもあり、一朝一夕にはいきそうにありません。しかし、これもスピーディーに対応しないと世界において行かれるという状況。

また学生についても厳しい指摘があります。

学部卒業生の就職率が落ちているのは労働市場の構造変化、足元の景気動向等も効いていますが、他方、本邦企業が外国人の採用を増やしていることもあり、我が国の学部卒業生の能力が日本企業から見て賃金に見合うだけに達していないという厳しい意見もあります。

アドミッション、カリキュラム、ディプロマと三段階のポリシーと目標が立てられていますが、残念ながら余り機能せず、結果として、卒業生の質が維持できていないという意見もあります。ディグリーのプレステージを上げるにも、諸外国のように何割かは落第するような厳しい進級、卒業基準にすべきではないかという意見もあります。

非常に厳しい指摘ですが、ベースにあるのは主計官のこういうお考えからです。これは「まえがき」で述べられています。

我々がなぜ財政再建に焦っているかが、偏に民族国家の存亡のステークにあること、そして、既に未曾有の財政赤字を抱えていることに加え、高齢化に伴い毎年1兆円の社会保障費の自然増を抱える中、このままでは、遠くない将来、我が国の財政が確実に破綻し、それまでの間、文教、科技を含めた国家活動がシュリンクしていく構造をご理解いただければ幸いである。

人材育成と科学技術力強化こそ、我が国が繁栄すると共に、人類共同体に貢献していく王道である。

「王道」と来ました。大学教職員や学生には一読を薦めます。

【参考】「強い文教、強い科学技術に向けて ―客観的視座からの土俵設定―」
財務省主計官(文部科学担当) 神田 眞人 著
発行 特定非営利活動法人 学校経理研究会
2012年6月刊行
http://www.keiriken.net/tsuyoi-bunkyo.html

「平成24年度文教・科学技術予算のポイント」(平成23年12月 神 田 主 計 官)
http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2012/seifuan24/yosan011.pdf
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by atsutoyoda | 2012-09-04 21:06 | 教育

博士の就職

昨日から日経新聞朝刊で「第4部沈む大学院」が連載されていますね。昨日の記事は東大の理学研究科博士課程でも学生集めに苦労しているとのことでした。20%ちかく定員割れしているというのは知りませんでしたが、これは深刻ですね。財務省がこのあたりの数字をどう見ているのか。東大の先生の、「以前とくらべものにならないほど熱心に募集」、「無から有を生み出す理学の意義が理解されれば入学者は増えるはず」というコメントを見ると、管理人が地方大学にいるからかもしれませんが、おめでたいなあと思ってしまうのですね。学問の意義が理解されれば学生は入学すると思っているのがなんともおめでたいです。これでは解決しないはずですね。

管理人の研究室はわりとコンスタントに博士を出しているほうなのですが、気がついてみると全員(といっても10名に満たないですが)、民間企業や県などの研究開発職に就いています。これはもちろん学生自身が努力した結果なのですが、最近は特に県職に採用されるケースが目立ちますね。都道府県の農業や畜産の専門職が積極的に博士を採用しているのかどうかは不明ですが、良い流れだと思っています。いまは県の試験場も産学官連携で共同研究することが増えているはずなので、相応の研究能力の人材が必要でしょう。今年もひとり茨城県に採用されました。昨日はそのお祝いをやりました。


【参考】東大でも定員割れ 知の国際競争、脱落危機 第4部 沈む大学院(1)
2012/8/21付日本経済新聞 朝刊
http://www.nikkei.com/article/DGKDZO45212620R20C12A8MM8000/
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by atsutoyoda | 2012-08-22 20:52 | 教育

理科離れ

「理科の魅力伝える支援」をという下記の記事が目にとまりました。理科離れは関心がある事象です。理科好きになるきっかけはいろいろあると思うのですが、わりと多いのはこども時代に野山を転げまわって遊び、自然の魅力にどっぷりつかることから発展するパターンではないでしょうか。その興味の対象が昆虫だったり、魚だったり、あるいは天体だったりした結果、理科が好きになってくるというステップを踏むのではと思います。単純に好きか嫌いかの話で、管理人が小学生時代に社会に役にたつかどうかを考えた記憶がありません。都内で少年期を過ごしましたが、住宅のとなりが「おとめ山公園」という自然が残された深い森でした。今から思うと恵まれた環境でした。学校が終わるとだいたいこの公園に直行しましたから、まさに生きた教材に囲まれて育ったと言えます。昆虫をはじめ、魚介類などの採集や飼育はひと通りここでやりました。この経験が管理人に生物系研究者の道を歩ませたと思っています。小学校、中学校、高校の理科の授業には失望してましたが、唯一、感服したのは予備校の生物の授業でした。東大生化学を出られたN先生が当時急激に進歩してきた分子生物学の最新知見をときどき授業で話してくれるのですが、これには大いに影響を受けました。それまでマクロな生物学を志していたのですが、分子生物学を勉強したいと思ったのはこのN先生のお陰です。リアルな生物学研究現場に身をおいた予備校講師の話が面白く、ろくに研究したことがなく実験も苦手な理科教師の授業がつまらないのは、当たり前といえば当たり前ですよね。


【参考】「理科の魅力伝える支援を」(産経ニュース)2012.8.8 20:40
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120808/edc12080820420002-n1.htm

「おとめ山公園」
http://www.city.shinjuku.lg.jp/seikatsu/midori02_001013.html
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by atsutoyoda | 2012-08-09 19:31 | 教育

研究室紹介

明日は学部の動物系3年生むけに研究室紹介を行います。3年生が卒論研究の配属先を決めるのですが、その際に参考にしてもらうためという趣旨です。毎回、管理人が喋るのですが、今回は学部4年のTYくんにしゃべってもらうことにしました。研究室によって取り組む研究テーマはまったく異なり、学生のみなさんは自分の希望する研究テーマを遂行したいと思っているでしょうけど、研究室の教育スタイルというのが自分にあっているかどうかも重要です。1から10まで教えてもらいたいタイプか、基本を教わったら、あとは自分で考えたいタイプなのかでずいぶん選択肢が変わると思います。ラボのPIがどういう具合にテーマ設定するか、またどういう人材を輩出しようと考えているのかも大事です。明日の研究室紹介ではPIにそういう質問をぶつけてみてください。研究テーマの違い以上に個性が見えてきて面白いと思います。

明日は前学期最終日ですね。我々にとっては少し研究エフォートを上げられるシーズンが始まります。
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by atsutoyoda | 2012-08-06 20:16 | 教育

動物生産科学入門

水戸で農学部一年生向けの専門講義をしてきました。「動物の脳」という講義ですが、記憶のメカニズムについて海馬のシナプス可塑性、長期増強まで話しました。今日パワーポイントお見せした資料のURLを下記に載せておきます。最近のうちの学生は圧倒的に植物志望者が多いのですが、動物の行動や栄養生理を分子の言葉で解き明かしたいという学生さんがひとりでもいるとうれしいです。是非うちの研究室に来て欲しいと思います。講義後になかなかするどい質問をしてきた学生がいましたが、うれしいものです。15年前、初めてこの講義をしたときに質問してきた二人の学生はどちらも研究者になりました。一人は筋肉の分子生物学で、もう一人は神経生理学です。

【参考】
"The Whole Brain Altas"
http://www.med.harvard.edu/AANLIB/home.html

"Three-dimensional Reconstruction of the Drosophila Larval and Adult Brain"
http://flybrain.neurobio.arizona.edu/Flybrain/html/contrib/2000/rein/index.html

"23andMe"
https://www.23andme.com/

"The brain observatory"
http://thebrainobservatory.ucsd.edu/hm_live.php
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by atsutoyoda | 2012-07-06 22:45 | 教育

TED

ときどきTEDを見るようになったのですが、下記のプレゼンテーションはラボや組織運営にもヒントになります。新米PIにはとても参考になります。学生や研究員がどういう状況で最大パフォーマンスを発揮するのかを我々はもっと勉強すべきなのでしょう。FDでもそういうニュアンスの研修はないです。ラボマネジメントを教えられる人があまりいないということかもしれませんが、FD研修してほしい分野です。

話は変わりますが、このプレゼンを聞いていると、伝統的な報奨(つまり競争的な交付金)を競い合って各大学が改革しているうちは、抜本的な改革など不可能だと言われているような気もします。

「キャリアアナリストであるダニエル・ピンクが、社会科学者が知っていて多くのマネージャが知らない『伝統的な報奨は我々が考えているほど有効ではない』という事実を手始めに、やる気の謎を調べます。」

【参考】ダニエル・ピンク 「やる気に関する驚きの科学」(TED)
http://www.ted.com/talks/lang/ja/dan_pink_on_motivation.html
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by atsutoyoda | 2012-06-27 23:30 | 教育

新編畜産ハンドブック

昨日は地方上級の公務員試験でした。管理人の研究室からも何名か受験しました。畜産職の募集は多くはありませんが、年々、周辺で公務員試験を受験する学生が増えてきているように思えます。公務員希望の学生はご存知かもしれませんが、下記の参考書は使えるでしょう。学部2、3年生で来年公務員試験を受ける人はこの本でじっくり勉強してみてください。執筆者を見ると畜産研究者の世代交代が進んだなという気がしますが、この本で勉強すれば効率の良い試験対策になると思います。うちの動物系の講義でこのハンドブックを使っている教員はいないようですが、動物生産の学生は一冊持っていても良いでしょう。

【参考】
「新編畜産ハンドブック」(講談社)
扇元敬司/桑原正貴/寺田文典/中井裕/清家英貴/廣川治・編
ISBN978-4-06-153724-8定価(税込)9,975円
http://www.kspub.co.jp/book/detail/1537248.html
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by atsutoyoda | 2012-06-25 19:49 | 教育