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茨城大学農学部飼料資源科学研究室公式ブログ。研究内容、教学支援、講義内容などを発信していきます。
by atsutoyoda
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カテゴリ:教育( 96 )


卒論、修論発表会

卒論と修論の発表会が終わりました。卒業終了判定も終わって一息ついたというところです。あとは卒業論文と修士論文の完成を待つだけです。一部は投稿論文にしたくなるようなデータが出ているので、担当の学生にはもう少し頑張ってもらいましょう。二日間にわたる発表会の印象ですが、発表だけを聞いていると修士の学生なのか学部学生なのか分かりません。4年生でも素晴らしいプレゼンをしている人がいるかと思えば、その逆もありました。大学院生でプレゼンテーションが下手な人はこれはひとえに努力不足でしょう。原稿の棒読みをしなければいけない程度にしか、自分の研究を理解していないと解釈されます。これは気を付けたほうが良いです。

かく言う私も最初の学会発表(もう20年も前)では原稿を持って登壇しました。なんとなく格好が悪い感じがしたのでそれ以降原稿を持って発表するのはやめました。大事な競争的資金のヒアリングなどには未だにカンペを用意したりしますが、審査員の前でそれを読んだりするようなことはしません。原稿をぼつぼつ読みながら説明するような人に研究費を付けようと思うような審査員はいないでしょう。
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by atsutoyoda | 2012-02-23 18:51 | 教育

日米の大学間格差

学部3年生に頼まれて、神経科学のテキストを探していましたが、フリーの素晴らしい教科書が見つかりました。いくつか拾い読みしましたが、動画を駆使していて分かりやすいです。3年生には英語の壁があるかもしれませんが、最初からこれで勉強していただきたいと思います。

日米の大学間にはいろいろ違いがあります。入学時期もそうですが、基本的にもっと大きな格差があるような気がしてなりません。こういう教科書を見ていると教育に対する力の入れ方がまったく次元が違うように思えます。入学時期の議論が陳腐に見えてきます。

"Welcome to Neuroscience Online, the Free Neuroscience Electronic Textbook!"
http://neuroscience.uth.tmc.edu/
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by atsutoyoda | 2012-02-18 22:00 | 教育

つくばの子ども、幼保一体化

つくばの子どもについての面白い新聞記事がありました。関東エリアのなかでももっとも小学生の自主学習時間が長いということです。また将来の夢も科学者や研究者が上位にきているそうです。「日常的に最先端の『知的レクリエーション』に触れることができる。子育て環境を選ぶ際の1つの基準になるのではないか」という佐藤将之准教授(早稲田大学人間科学学術院)のコメントです。親の影響は大きいでしょう。自宅に帰っても研究や勉強をしているお父さんやお母さんがたくさんいることでしょう。私もつくばに住んで10年以上になりますが、住み心地は良いですし気に入っています。同業者が多いというのはなんとなくですが安心感を与えます。もともと高校生の頃の私はつくばは無機質で特殊な街というイメージを持っていました。藤原新也の著書に影響されたこともあるかもしれませんが。それが今では「つくばスタイル」です。変わるものです。

そういう環境に惹かれる若い人が多いのか、確かに私の自宅の周辺は子供が多いです。小学校も生徒が多くて校舎が間に合わず、保育園などにも希望通り入れなかったりするようです。少子化とは思えないような状況です。

今日の夕方は息子が通う保育園の「幼保一体化」の勉強会に参加してきました。3月末に関連法案を通すということだそうですが、幼保一体化でどうなるのか全体的に不透明で正直よく分かりませんでした。メリットも分かりません。規則の細部を詰めずに法案だけを通そうというのが見え見えですね。次世代を如何に育むかということにもっと知恵を絞らなければいけない時期の日本において、ずいぶん雑な政策運営に思えます。厚生労働省、文科省、内閣府の3すくみ状態ではまともな法案を作るのは無理ということでしょうか。子育て世代が海外流出する時代がもうすぐそこに来ているような気がしてきます。

【参考】
「つくばの子ども、夢は『科学者・研究者』 学習時間トップクラス 専門家『周辺環境が影響』」(朝日新聞)
http://www.asahi.com/housing/jutaku-s/JSN201202150004.html

「子ども・子育て新システム検討会議作業グループ基本制度ワーキングチーム 開催実績」(内閣府)
http://www8.cao.go.jp/shoushi/10motto/08kosodate/wg/index.html
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by atsutoyoda | 2012-02-17 23:31 | 教育

修論審査会2

2件の修論審査をしました。一件は盲導犬とヒトの動きをモニタリングして定量化するという研究でした。日本はイギリスなどに比べると圧倒的に盲導犬の数が足りていないそうです。盲導犬を一匹育てるのに300万円かかるとか。盲導犬についての予算はほとんどが寄付で賄われているようですが、盲導犬を必要とする人がどういう状況に置かれているか想像できます。厚労省マターだとか。

もう一件は耕作放棄地にヤギを放牧した時の土壌細菌叢に関する研究でした。阿見の耕作放棄地をフィールドとして使っているわけですが、30年前はタバコ畑だったそうです。タバコ畑が耕作放棄地になったケースが多いのだとか。野菜などをやっていても収入が見合わず、最後にタバコをやってそれでもだめで畑を放棄するのだそうです。

どちらの研究も動物に関係するわけですが、審査員としてずいぶん幅広い勉強をさせてもらえます。審査をするのはそこそこしんどいのですが、それに見合うだけの収穫もあります。修士課程の2年間で副査としてじっくりディスカッションをする機会がなかったわけですが、中間審査などでディスカッションできる場があるとよりいいと思えます。学生にとってはプレッシャーになるかもしれませんが、間にディープなディスカッションを入れたほうがはるかに良い修士論文が書けそうです。博士課程などは中間審査の機会があるのですが、忌憚ない意見がもらえるので貴重な機会となっています。

何はともあれディフェンスした学生さん、お疲れ様でした。来週の全体発表会も楽しみにしています。より一層のブラッシュアップが望まれます。最後にもうひと踏ん張り頑張ってみてください。
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by atsutoyoda | 2012-02-14 20:42 | 教育

修論審査会

修論審査会を3つこなしました。明日も2つ審査会があります。なかなかヘビーですが異分野の研究を知る良いチャンスです。今日はマウスの染色体転座の研究と霜降り牛肉の美味しさに関する研究の成果を聞きました。明日は盲導犬研究と、ヤギ放牧と土壌細菌叢に関する研究の審査です。あらためて畜産学の幅の広さを感じます。逆に言うと、畜産学はどこに向かうのだろうかという感想も持ちます。若い学生さんには目標が見えにくいかもしれません。芸術品のような霜降り牛肉も食べられるような時代に、私たち畜産の研究者はどこに向かうのか?畜産だけではなくて、ひろく農学全般に言えることかもしれません。農学の進むべき道はどこにあるでしょうか。もっともらしいディプロマポリシーとかカリキュラムポリシーを掲げているだけでいいのでしょうか。最近、こういうポリシーを掲げることが自由な発想を拒んでいるのではないかという気がしています。思考停止になっていないか注意する必要があります。競争的資金の作文を書いているときなどは特にです。
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by atsutoyoda | 2012-02-13 19:32 | 教育

中国語

今年度は外書講読講義で中国語を勉強したのですが、今日で最終回にしました。学生さんに2名中国人がいて、「生徒」は6名なので非常に教育効果が高いです。なかなか難しい言語ですが、やはり漢字の意味がそこそこわかるので親近感はわきます。次年度も引き続き中国語を勉強しようと思います。

今まではMolecular Biology of the Cellなどの英語教科書を読む講義をしていたのですが、英語はできて当たり前なので自分で勉強してもらうことにしています。今後は第3外国語をどれくらい操れるかで勝負が決まってくるような気もするのです。最近赴任された若い特任教員の方がインドネシア語の勉強会をしているようですが、良い試みだと思います。この学部でいろいろな言語が飛び交うようになったらさぞかし楽しいことでしょう。はやく言語の壁を取っ払いたいものです。秋入学や英語での講義の導入などを検討している間に、優秀な学生はみんな海外に流れてしまいます。
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by atsutoyoda | 2012-02-03 16:40 | 教育

つくば国際大学非常勤7回目、栄養研究の今後

今日は非常勤最終日でしたが午後3コマ通しでやりました。厚生労働省の報告書である「日本人の食事摂取基準」(2010年版)の演習が一通り終わりました。15コマではすべての項目を丁寧に演習することはできないのですが、学生さんの努力もあり乗り切ったという感じです。本来であれば文部科学省の「日本食品成分表」(2010年)も演習するつもりだったのですが、とても時間が足りませんでした。この「食品成分表」を活用して、食事摂取基準に合致した献立を作製するトレーニングが必要なのでしょうが、私では少々、役不足だったかもしれません。基礎的な話題に終始してしまった感はあります。

私も今回の演習のために「日本人の食事摂取基準」を一から勉強したのですが、ヒトの栄養学は分かってないことだらけですね。また日本人の栄養状況に関するデータ、文献がないので、海外、特にアメリカ、カナダの文献を引用するケースも目立ちます。「日本人の食事摂取基準」には付録の「参考文献は語る」(東京大学大学院佐々木敏教授)に2010年版の食事摂取基準の策定で心がけたことについて書かれています。非常に良いことが書いてありましたので、引用したいと思います(少々改編させていただきました)。


「食事摂取基準は、日本人の食事の基本になる考え方と数値を示すものですから、質の高い情報(論文)を用いなくてはなりません。だからこそ、(参考)文献にこだわったわけです。」

「参考文献をたくさん並べればそれで質の高い食事摂取基準が出来上がるわけではありません。数が少なくても大切な(質の高い)論文を効率よく使って策定された章もあります。」

「(今回の策定で用いた参考文献で)日本人を対象とした研究は、全体の27%でした。食事摂取基準の目的を考えれば、この数字がもっと大きくなってほしいと願うのは私だけではないでしょう。」

「(参考文献は)過去10年以内のものが半数以上を占めていて、近年の栄養学の進歩の目覚ましさを目の当たりに感じることができます。」

「食事摂取基準は参考文献から作られたものです。このことは、『研究成果がない限り、食事摂取基準はできない』ことを示しています。」

「食事摂取基準はの信頼度を上げ、使い勝手の良いものにするためには、質の高い人間栄養学の研究を数多く行う以外に解決策はありません。」

「日本人の食事摂取基準(2015年版)の出来栄えは、今この本を手に取っているあなたの研究への積極的、献身的な協力にかかっているといっても過言ではないでしょう。」


栄養を研究する者にとっての檄文です。



【参考】
「日本人の食事摂取基準」(2010年版)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/sessyu-kijun.html

「五訂増補日本食品標準成分表」
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/toushin/05031802.htm
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by atsutoyoda | 2012-02-02 20:19 | 教育

論文チェック

卒論や修論のチェックの季節になりました。今年は修論を6つもチェックしないといけないので、今から戦々恐々としています。ブログの管理人は、数年前、修論を大量にチェックしているときに体調不良から肺炎で寝込んだことがあります。論文を修正されたことが気に食わないのか逃避する学生がでたこともあります。割とタフな仕事なのです。最近は「てにをは」を直すというよりも、どういう根拠でその考察が成り立つのかを問いただすケースが多いです。実験結果に対してまともな考察ができていないのですね。論文ではなくて個人の感想文になっているものが多いです。論理的思考能力や論理的な作文技術についてはどこの分野に進んでも必要だと思いますから、学部の初期に徹底的に教育したほうが良いのかもしれません。実習などでレポートを課してもなかなか突っ込んだ指導ができませんから、座学として教えるのが良いのでしょう。サラリーマン向けの啓蒙書がたくさん出ていますから、かなりニーズが高い教育と思われます。学部改革するのであれば検討してほしいですね。

論文中身は、その執筆者の学生が普段から関連文献をよく読んで、よく考えているかが如実に出ます。日頃の研究態度がもろに反映されるのが論文ですね。なんでもそうですが積み重ねが大事です。論文は何も準備せずに一夜漬けで書けるようなものではありません。生みの苦しみを味わってください。飛躍するチャンスです。
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by atsutoyoda | 2012-01-31 18:56 | 教育

つくば国際大学非常勤講義6回目、ビタミンD

午前中、水戸の本部で会議を一つこなしました。放射線量計を車に載せて、つくばの自宅から水戸キャンパスまで高速を使っていきました。途中、0.2μSv/hくらいまで上昇する場所があったのですが、高速の周りが杉の森林でした。高速道といえども空間線量はずいぶん変化するものです。しばらく線量計を携行して、研究室のメンバーが行動するエリアを計測していきたいと思います。

午後はつくば国際大に非常勤にいきました。ビタミンDについて演習しましたが、テキストである「日本人の食事摂取基準」にびっくりするようなことが書かれていました。京大の研究成果ですが、新生児にビタミンD欠が高頻度に見られて、頭蓋癆が22%の新生児に見られるというのですね。私が学生のころにビタミンD欠乏を勉強したときにはなかった知見です。栄養学、特にヒトの栄養学はまだまだ分かっていないことが多いですし、むしろ家畜栄養学の方が進んでいる部分があります。ヒトと動物の栄養学の分野交流がもっと必要なのではないかと思えます。家畜栄養学とヒトの栄養学の接点になるような学会がないですね。私が所属している畜産学会はモロに家畜が対象ですし、栄養・食糧学会はヒトやラット、マウスが対象です。動物種が違えば栄養代謝機構も全く異なるので、広く全体を見渡せるような学会が欲しいですね。

【参考】
「日本人正常新生児にはビタミンD欠乏症が高頻度に見られ、母乳栄養児で特に改善が遅れる」
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/2008/news6/080331_1.htm
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by atsutoyoda | 2012-01-26 22:01 | 教育

つくば国際大学非常勤講義5回目

午後いちばんでつくば国際大に非常勤の演習に行きました。5回目の栄養学演習です。学生には先週調べさせた脂肪と炭水化物の栄養摂取基準について発表させました。いつもは学生からの質問がほとんど出ないのですが、今日はあるひとりの学生が積極的に質問してくれました。ファシリテーターの役目を担ってもらい、なかなかいい感じで演習が活性化しました。その質問も鋭いですね。学部の2年生ですがプロ意識も芽生えてくるのでしょうか。もっともこれは学生さんによってずいぶん差がありそうです。(どこの大学でも一緒でしょうけど)

私は保健栄養学科という管理栄養士をめざす学科で教えているのですが、一学年の定員は80人です。実際に私が教えているのは30名ほどなので、かなり定員割れを起こしていることになります。本来だったら40名が2クラスないといけないそうですが、ようやく1クラス作れるということだそうです。厳しい現実です。

これからますます少子化が進みます。私の4歳の息子の人口は109万人だったと思うのですが、今の18歳よりも10万人以上減ります。あと15年で10万人減るというのが現実です。大学への進学率が大幅に増加しなければ、今より5万人くらいは大学進学者が減るということになります。大雑把な計算ですが。東大の一学年の定員を3000人とすると17個分ですか。凄い数字ですが、何も対策を打たなければそうなるのでしょう。景気の低迷も追い打ちをかけるかもしれません。

ではどうするか?日本人の高校生だけを受け入れるというのではなく、広く海外から学生を募集すればいいわけです。東大の秋入学移行の話題がありますが、一方、秋入学だけで世界の優秀な学生が集まってくれるだろうかという気もします。日本だからということで若い人が来てくれる時代ではないでしょう。都市部の有名大学はともかく、地方大学に如何に優秀な学生を呼び込むか。学生募集の戦略はもっとシビアに練るべきで、ここに各大学の差が大きく出そうです。うちの学部も国際交流は規模の割に盛んだと思いますが、その意味するところを教職員で共有したほうが良いですね。もう少しフットワーク軽く、海外に出られればいいのですが、海外出張できるタイミングを探すのもなかなか大変です。

【参考】
「18歳人口及び高等教育機関への入学者数・進学率等の推移」(文科省)
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shinkou/07021403/005/001.pdf
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by atsutoyoda | 2012-01-19 20:55 | 教育