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茨城大学農学部飼料資源科学研究室公式ブログ。研究内容、教学支援、講義内容などを発信していきます。
by atsutoyoda
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カテゴリ:研究( 100 )


退職記念パーティー

先週末は京都、先々週末は神戸に行って来ました。管理人の恩師の退職記念パーティーに参加するためです。独立行政法人家畜改良センター理事長を退職された矢野秀雄先生と神戸大医学部を退職された高井義美先生です。高井先生については特命教授として神戸大に残られて、さらに研究と後進の指導にあたられるそうです。

管理人は農学部生時代に矢野先生のご指導を受けました。当時の矢野研究室では基本的には自分で研究テーマを探し出し、自力で実験計画し、データを出して、論文化するという、いわば先発完投型の研究スタイルでした。先輩のSTさんと相談してテーマ設定から実験手法まで自力でものにするという感じで、ボウっとしていると何もしないで過ごすことが可能というラボでした。いわば放置プレーでした。医学部生理(玄蕃央恵先生)のラボに押しかけて、電気生理学の手習いをしたのもこの時代でした。おおらかな時代でしたが、積極的に動いたらそれなりのことが得られる環境でした。まずは、自力で動いて、手を動かさなあかんというのを嫌というほど刷り込まれた学部4回生でした。少々の図々しさもプラスに働いたと思います。またそういう図々しさを、年長者がしゃーないな、と受け流す文化もあったようです。

自力で動いた結果、当時、ERATOのプロジェクトを主宰されていた高井先生に拾ってもらうことになりました。まともな就職活動もしておらず、まさに、高井研に転がり込んだという感じですが、高井研ではテーマや実験計画がガッチリ管理されていて、我流は許さない、先発完投型というよりもどちらかというと分業型というスタイルでした。その環境の違いに戸惑いながらも、データのアウトプットから論文化までの効率の良さに感心したものでした。現在までのご業績は516本の原著論文と著書96篇、総説225篇ということだそうです。

若い時に両極端な運営法のラボに身を置けたことは、今、PIになってみてわかりましたがとても良い経験だったと思えます。今のラボに就職して、PIになる前から管理型運営にしたり、超放置プレイにしたりといろいろ試していますが、なかなかよい解答は得られませんね。どちらの運営法でも人材を輩出できることは、両先生のラボ卒業生を見れば分かるのですが、よりいまの環境にフィットしたラボ運営法の模索は続きます。高井研OBのF先生がイギリスでPIをやっていた時に、高井研スタイルでラボ運営したら、「テクニシャンをつくるんか?!」と同僚に言われたそうですが、高井研から出た優れたPIのことを考えれば、テクニシャンを作る教育法でないことは自明です。

学生さんの基質も刻々と変わっているように思えますから、ラボ運営法のFDとかしてもらうとたいそうありがたいですね。
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by atsutoyoda | 2013-06-04 20:47 | 研究

科研費の結果2

結局、3つ出した科研費申請は全滅でしたね。無様です。昨日の深夜に事務からメールがありました。25年度は申し訳ないことですが、研究室の学生にマウスを一匹ずつ買ってやり、データを取らせることにいたしましょう。本当にラッキーなのですが、別の競争的な予算がいくつかつきましたので、その極度に「不幸な状況」は回避されましたが、科研費の不採択はダメージありますね。2ヶ月近くにわたって申請書の作成に没頭するわけですからね。共同研究者との打ち合わせもあったりで、相当なエネルギーが必要な科研費申請書の作成作業ですが、もう少し、「全か無か」ではない予算措置の方法はないかと思います。ちょうど、「日本の科学を考える」というサイトで藤田保健衛生大学の宮川さんが議論していますね。ちょっと引用してみますと、

科学技術の研究では、(分野にもよるとは思いますが)大きな難問にじっくりと長い時間をかけ集中して取り組むことが重要ではないでしょうか。世界にさきがけて独自の大きな価値を持つものを発見したり開発したりするためには、そういうことをサポートする仕組みが必要でしょう。つまり、期間が短く少額のギャンブル的研究費が多種乱立している状態ではなく、期間は長く比較的額の多い安定した基盤的研究費がどっしりとあるというのが望ましいのではないでしょうか。

「選択と集中」からはずれた大学や分野は科研費が研究費の最後の砦でしょうから、これをはずすともはや存亡の危機にさらされるということでしょう。実際に科研費に採択されなくなって、一線から退いた状態の人をたくさん見ていますから、その怖さはヒシヒシと感じます。研究者としての存亡ももちろんですが、実は真に必要な研究分野が人知れず消えてったりしていないのかと思いますね。恐ろしいギャンブルをしていると言えるでしょうね。


【参考】
「安定した基盤的研究費の導入を!」(藤田保健衛生大学・宮川剛)
http://scienceinjapan.org/topics/031413.html
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by atsutoyoda | 2013-04-05 18:59 | 研究

フクレミカンサンプリング

福来(フクレ)ミカンが完熟したという知らせを受けたので、筑波山麓の真壁にサンプリングに行って来ました。ちょうど酸味と甘味が絶妙です。種が多いのが欠点なのですが、充分に消費者に受けるのではないかという味です。皮は七味唐辛子の香りづけにつかうので商品価値があるのですが、実の方はいまいち用途がないそうなのですね。実の価格は皮の10分の1とかで廃棄されることもあるとか。地元の財産だというのにもったいない話です。茨城県南部以外ではなかなか手に入らないかもしれませんが、筑波山観光などで機会があったら食べていただきたいと思います。
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by atsutoyoda | 2012-11-20 20:11 | 研究

ノーベル生理学医学賞

山中伸弥先生がノーベル生理学医学賞を受賞されました。大変おめでたいと思います。いつかは受賞されるとは思っていましたが、ずいぶん早かったなというのが正直なところです。肝心の奈良先端科学技術大学院大学の貢献があまり報じられていないようですね。iPS細胞の研究の発端は奈良先なわけですが、なぜiPS細胞のようなチャレンジングな研究が奈良先では可能だったのかをよく精査すべきだと思います。そこにこれからの日本のサイエンスを発展させる鍵があるのではないかと思えるからです。また、医学系の研究者である山中先生がiPS細胞を作ったというのもポイントですね。体細胞クローンを作るところまでは畜産研究者が貢献しているわけです。iPS細胞も畜産研究者が作ってもおかしくはなかったはずですが、それが出来なかったというのもいろいろと考えさせられるものがあります。

独創的な研究を生みやすい土壌とはどのようなものでしょうか?

奈良先端の学長がコメントを出しているようです。下記に引用します。

「山中先生はいつも、奈良先端科学技術大学院大学は私の研究の原点であり、本学に来たからこうした仕事が始められたと言っておられる。今回の受賞は、本学が、山中先生のような若い研究者の優れた先端的な研究を育んできたことも示しており、本学の存在意義を考えたとき、大変意義深いものである。」

【参考】「山中伸弥本学栄誉教授がノーベル生理学・医学賞を受賞」(奈良先端科学技術大学院HP 2012/10/08)
http://www.naist.jp/news/detail_j/topics/1377/
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by atsutoyoda | 2012-10-08 22:30 | 研究

科研費対策

ぼちぼち科研費申請書の作成も大詰めです。うちの大学では10月12日が学内締切なのですが、事務の方がかなり一生懸命チェックしてくれますから、ありがたいものです。科研費担当の事務と2度3度申請書をピストンすることもありますが、10年前では考えられなかったことです。それだけ茨城大学でも科研費の重要性が認識されてきたということでしょう。学内の科研費説明会も年々充実してきているようです。科研費申請助言制度というのもできました。これは科研費に頻繁に採択されていたり、審査員になった教員が、他の教員の申請書に助言する制度です。管理人も助言者として選ばれたのですがまだまだ他人の申請書にコメントするほど余裕はないので辞退しました。

今年も科学研究費学内説明会資料が配布されました。そのなかで良く採択されているとおもわれる先生方の申請書がいくつか例示されているのですが、おどろくほど共通点がありますね。管理人の申請書ともそっくりなのがありました。書き方のコツなども書かれていますが、ある先生が書かれたコメントが良かったのでこちらに転載します。

「我々は、国のお金(国民の税金)を使っている。もちろん、給料もそうである。社会に貢献することを意識しないといけない。(中略)研究していないノンビリ公務員的教員を見ると、私はその立場が納得できない。良い研究をしなければ、”本当の意味の”教育など出来ないし、茨城大学に良い学生も集まらないと思う。」

採択されている方の共通認識かと思います。この先生の経歴をみると管理人より少し若いと思われますが、全学向けの資料によくぞ書いてくれたと思います。
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by atsutoyoda | 2012-09-29 19:51 | 研究

フクレミカン

フクレミカンという筑波山特産のミカンがあるのですが、これをネタにして出したある競争的な研究経費をいただけることになりました。地元企業と共同でフクレミカンの機能性を探索するというプロジェクトですが、できれば大きく育てて地元に還元できるような研究成果をあげていきたいです。フクレミカンの「フクレ」は漢字で「福来」と書きますから、縁起がいい名前です。化学的な成分組成からみると、沖縄のシーカーサー、徳島のスダチなどと同様なポテンシャルがあることが予想されるミカンなのですが、茨城県人でさえ知らない人がいるという状況です。果実よりも皮に付加価値があるのですね。今日は産学連携担当のSさんと農業工学のOTさん、学部生Tくんと別件でディスカッションしたのですが、その際、フクレミカンビネガーをソーダで割って飲み、意外に美味しいのに驚きました。どういう製品にしたら市場に受け入れられそうかなどのアイディアは学生からも出てきそうです。地味ですが少しずつ地域連携研究にもタッチしていきたいと思っております。
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by atsutoyoda | 2012-08-28 22:36 | 研究

消化管内揮発性脂肪酸

ここ1週間ほど、ガスクロマトグラフィーで揮発性脂肪酸(VFA)の測定を行なっています。消化管内VFA、特にVFAのシグナル分子としての機能に興味をもっているのですが、この分野をリードしていたひとりが逮捕された辻本豪三先生なのですね。癒着仲介業者からクレジットカードを渡されて私的に使うなど、普通の感覚からすると理解できませんが、「研究の鬼」で「すべては研究の前にひれ伏す」という「信念」だったようです。このような「信念」や一般的には理解できないような「感覚」の持ち主だったとすると、正直に申し上げて、発表論文に漠然とした不安を覚えます。

【参考】京大元教授逮捕:「研究の鬼がなぜ」同僚ら困惑
毎日新聞 2012年07月31日 13時34分(最終更新 07月31日 17時26分)
http://mainichi.jp/select/news/20120731k0000e040220000c.html
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by atsutoyoda | 2012-08-02 22:08 | 研究

VFA

揮発性脂肪酸(VFA)のガスクロ分析をRKさんと一緒にやりました。VFAのにおいを嗅ぐとルーメン液まみれになりながら、ルーメン内微生物のタンパク質を精製していた時代を思い出します。時代とは言ってもたかだか5,6年前なのですが、まだ管理人自ら朝から晩まで実験する時間があったのです。今から思うと良い時代でした。やはり実感として、この5,6年で一気に研究以外の業務が増えたように思えます。もちろん講義数も増えました。参考にあげた日本からの論文数の推移は我々の勤務実態をとてもよく反映していると思えます。

この時期になると毎年、講座で最年少教員が保険料の集金を担当させられるのですが、管理人は赴任してから15年間ずっと集金係です。つまりこの15年間で管理人よりも若い人が講座に赴任してきてないことになります。集金をするのはたいした業務ではないのですが、15年間最年少ということに暗澹たる気分にはなります。若い教員がバリバリ研究して論文は生まれるわけですが、そういう教員が減少している状況では、論文数の減少が当然であると思えるのですね。しかも、若い教員でさえ、研究以外の業務に忙殺されたりしていますから、いったい誰が研究して論文を書けるのかということです。数少ない優秀な大学院生でもっているようなものです。そういう必死に研究して論文を書いている院生の横に昼行灯の教員がいたりするわけですから、まだまだ組織には改善の余地はあるわけです。それは文科省も財務省も良くご存知でしょう。

【参考】
「あまりにも異常な日本の論文数のカーブ」(ある地方大学元学長のつぼやき)
http://blog.goo.ne.jp/toyodang/e/26f372a069cbd77537e4086b0e56d347
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by atsutoyoda | 2012-07-26 17:53 | 研究

ガスクロマトグラフィー

震災で壊れたガスクロマトグラフィー3台を昨年度末に更新したのですが、ようやく揮発性脂肪酸分析にこぎ着けました。機器はGC-8AとGC-2014です。GC-8Aにはクロマトパックがついていますが、直感で操作できないですね。慣れれば良いのでしょうが、慣れるまでに時間がかかりそうです。実験する時間がなかなか取れない、記憶力も悪くなったPIにはつらい仕様です。ただ、学生さんはすんなり操作法を覚えたようですから、我が身の老化を痛感します。マイクロシリンジの先も見えません。一方、GC-2014はPCで操作し、オートサンプラーがついていますが、ブログ管理人は8Aでの短鎖脂肪酸分析をマスターするだけで今日は精一杯でした。操作マニュアルを学生さんたちが作ってくれることになったので助かります。ひさびさの実験三昧で、徐々に夏休み気分になってきました。雑用で忙殺される日も実験勉強三昧の日もどちらも疲れますが、気分的には全く異なります。高揚感があります。ヒグラシが鳴き出しましたが、ひとりオフィスで盛り上がっています。夏休みを迎える子供の気分です。と言うと来週大学院入試を控える教室員に怒られますかね。不必要な雑用でイライラされるよりはマシだと思ってください。
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by atsutoyoda | 2012-07-25 19:29 | 研究

中間報告会

研究成果の中間報告会を行いました。進捗状況はまちまちですが、すでに論文になりそうなデータを手にした学生もいるのでまずまずでしょうか。ある学部4年生が4ヶ月弱でかなりのデータを出してきましたが、本人の研究への取り組み方を見ているとこれは良く分かります。プレゼンもしっかりしたものですから、何をやるべきか頭の中が整理されているのでしょう。こういう学生は研究のアウトラインを提示すれば、セルフモチベーションが高いのでどんどん自分で進んでいきます。邪魔をせずにときどき軌道修正をすれば良いということです。

先週の金曜日のある勉強会で話題になった京大新聞の記事です。勉強会に出席されていた豊田長康先生ご本人からもお話を伺いましたが、教育に関するところが面白いです。

【参考】
豊田長康 国立大学財務運営センター理事長 「京大を『評価』して思ったこと」(2010.11.01)
http://www.kyoto-up.org/archives/1187
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by atsutoyoda | 2012-07-23 20:49 | 研究