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茨城大学農学部飼料資源科学研究室公式ブログ。研究内容、教学支援、講義内容などを発信していきます。
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トマトゲノム

かずさDNAなどの国際共同チームがトマトゲノムを解読したそうです。約9億塩基対で3万5千個の遺伝子が見つかったとか。パワフルなシーケンサーで農作物や畜産物のゲノムはこれからも加速度的に解読されていくでしょうけど、その情報をどう農業に活かしていくかは今後の大きなテーマになりそうですね。農業もゲノムで語る時代が来ているのです。ということは、農学教育にもゲノム科学やバイオインフォマティクスが必須になるはずで、そういう教育や研究の出来る人がどんどん農学に参入してきてくれないといけません。最近、農学部受験生が増えていると新聞で報じられていましたが、生産現場からゲノム科学までを守備範囲とする農学部はカリキュラムや運営の次第では多くの若者を惹きつける学部になると思います。要はやり方次第です。農作物のゲノム科学をベースにヒトの健康寿命を伸ばす研究などは当たり前になるでしょう。

【参考】
「Cover Story: トマトのゲノム:料理用の中心品種とそれに最も近縁の南米産野生種のゲノム塩基配列を解読」
Nature 485, 7400 (May 2012)
http://www.natureasia.com/japan/nature/updates/index.php?i=88663
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by atsutoyoda | 2012-05-31 19:05 | 研究

文科省詣

この時期の恒例行事になりましたが文科省で概算要求ヒアリングを受けてきました。今日は陳情の方たちで文科省のロビーは大変混雑していました。教授や部長クラスやの人たちでしょうがポンチ絵を睨んで事前相談している風景にも慣れてきました。管理人のような中堅は場違いな感じもしますが、まあ良い機会だと思っています。話を聞いてくれる官僚も年齢的に近いので率直に議論ができるのがいいです。管理人は、ズケズケとものを言うので議論を聞いている周りはどう聞いているか分かりませんが、個人的には相当勉強になっています。学内委員会で揉まれるよりも数倍はためになると言ったら失礼でしょうが、事実はそうです。半日つぶして霞が関に行く意味はあります。指摘事項への対応策に頭を使うわけですが、問題整理には良い機会です。学内や大学間の政策的な問題への言及を求められたりするとさすがに困りますが、まあ官僚は状況を承知しているでしょう。

個人的にはポスト3・11サイエンスの方向性が少しずつ見えてきたので、これが一番の収穫でした。臨床でもいろいろな震災関連データが出てきているようです。東北大学の震災PTSD研究がパブリッシュされました。

【参考】
"Brain structural changes as vulnerability factors and acquired signs of post-earthquake stress" A Sekiguchi1, M Sugiura1,2, Y Taki3, Y Kotozaki4, R Nouchi4,5, H Takeuchi4, T Araki4, S Hanawa1, S Nakagawa1, C M Miyauchi1, A Sakuma1,6 and R Kawashima1,3,4

Molecular Psychiatry advance online publication 22 May 2012;doi: 10.1038/mp.2012.51

http://www.nature.com/mp/journal/vaop/ncurrent/full/mp201251a.html
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by atsutoyoda | 2012-05-30 20:18 | 大学

cheer up

学生をcheer upするのはなかなか難しいのですが、共同研究者に褒めてもらうのは良いですね。研究室のKH君が共同研究者のMT先生にずいぶん褒められたのですが、管理人のような駆け出しPIにとっては自分の学生が外部の研究者から褒められるのはうれしいものです。管理人も自分の学生をもっと褒めればいいのですが、なんとなく正面から褒めるのは苦手です。学生が面白いデータを出してきても「ほんまかいな?」という反応をするので、良くないPIの典型例かもしれません。理不尽なこともずいぶん言っているでしょう。実際にある学生には褒めてくれないとクレームつけられたことがあります。自分は褒めて伸びるタイプだから、褒めて育ててくれということみたいだったのですね。そういう時代になったんだとびっくりした記憶があります。5,6年前のことでした。管理人が学生の時はあまり褒められて育てられたわけではないのです。いわゆる放置プレーでしたから、実験計画から何から何まで全部自分で責任をもってやりました。ですが、教授から「君は実験している時が一番楽しそうやなあ~」と言われて、嬉しかったのを覚えています。まあ、確かに実験しているときは楽しかったのでした。

褒めるのも大事かもしれませんが、研究を楽しめるようなcheer upが一番大事だと思えます。PI自身が心底研究を楽しんでいる雰囲気が学生を育てるには一番大事だと語ってくれた友人がいますが、確かにそうかもしれません。その友人のラボのPI(管理人の先輩でもあります)は、地方大としては異例とも思えるほどアカデミアや研究機関に人材を輩出していますが、たしかになにやら怪しげで楽しそうな雰囲気はあります。ラボは放置プレーということです。昔ながらの放置プレーラボが今後も機能するか不明ですが、ラボの雰囲気や運営スキルが日本の科学技術を支える人財育成のキーになることは間違いないでしょう。
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by atsutoyoda | 2012-05-29 23:04 | 教育

アンブレラ方式

国立大学を整理統合する方法としてアンブレラ方式というのが出てきています。もともと神田主計官の「平成24年度文教・科学技術予算のポイント」で出てきたキーワードです。財務省主導なのでしょう。文科省が「アンブレラ」に対してどういう考え方をしているのか、いまいち情報が伝わって来ません。最近の朝日新聞には、「文科省は、アンブレラ方式の導入で、大学を消滅させずに再編を進める方法を確保する考え。」と出ていますが、本当にそんなことが可能なのか詳細はわかりません。アンブレラ方式のメリットとデメリットも良く分かりません。例えば東関東に位置する茨城大学、筑波大学、千葉大学あたりをアンブレラで一法人にしたら、どうなるでしょう?経営の効率化は可能なのか?教員サイドからすると、他大学の恵まれたインフラを利用できるようになればメリットがありそうです。

ブログ管理人のような現場教員はアンブレラ方式になろうがなるまいが今までどおり地道に教育と研究をしていくしかないわけです。アンブレラ方式で教育、研究が従来よりもしやすくなるのであれば歓迎です。

【参考】
「平成24年度文教・科学技術予算のポイント」
http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2012/seifuan24/yosan011.pdf

国立大「複数運営」可能に 分野や所在地で集約案(朝日新聞2012年5月26日8時25分)
http://www.asahi.com/national/update/0526/TKY201205260004.html
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by atsutoyoda | 2012-05-28 22:25 | 科学技術政策

科研費報告書

2ヶ月前に提出した科研費の報告書の修正依頼が事務方から来ました。報告書の内容ではなく書式の細かい部分についての修正依頼でした。研究者が規定の書式に報告を書いて、事務方がチェックして、修正依頼をするというステップが必要なのか検証する必要があります。「茨城大学農学部」を「農学部」に修正してくださいというレベルの修正ですから、このレベルのチェックと修正に時間を膨大に使うのはそもそも税金の無駄使いという感覚にならないといけません。つい先日、学生が学振申請書の「マジック塗り」をしてましたが、そんな前時代的なことをいつまでやるのかと思っていましたが、まだまだ省力化できる部分はありますね。
科研費報告書などは研究者が直接Read&Researchmapに入力するようにすれば良いと思うのですが。もともとResearchmapには獲得した競争的資金欄がありますから、そこに報告書もぶら下げる形で良いと思えます。業績欄とリンクできるようにすればいいでしょう。事務方にしたって煩雑でかつ集中力の必要な非生産的作業が減って良いことでしょう。もっと生産的な作業に時間を使うべきです。
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by atsutoyoda | 2012-05-25 20:27 | 科学技術政策

面談

今日は入れ替わり立ち代わりいろいろな学生と面談しました。学生の将来ビジョンなども含めてかなり深い話が出来ました。経済的な問題についても話しました。勉強したくても学費や生活費をバイトで稼ぎ出さないといけないので、勉強する時間が確保できない学生が多いようです。日本の大学生は勉強しないという報道がありますが、勉強したくてもできない学生もかなりの割合でいるようです。そこをレスキューするような制度がもっと必要だと思います。成績の良い学生が経済的に苦しくて、バイトに忙殺されて大学にも来れないような状況が、今の日本の大学では普通に起こりうるということです。国立大学といえども年間60万円弱の学費を納入しないといけないわけですから、学生自ら生活費と学費を稼ぎだすのはなかなか大変なことでしょう。
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by atsutoyoda | 2012-05-24 23:29 | 教育

ガスクロマトグラフィー

震災でやられたガスクロ3台がようやく更新できて動き出しました。今まで6階の管理人のラボに設置していましたが、震災でガスクロ本体からガスボンベから何から何まで倒壊しましたので、今回は1階に設置してもらいました。1階の部屋の管理人HM先生のご理解あってのことです。このガスクロは学部内で共同利用機器にしますので、利用希望者は管理人に問い合わせください。CO2、メタン、有機酸など分析できます。是非ご活用ください。

分子生物学研究もひさびさに再開しようと思います。しばらく行動解析や組織化学、ウエスタンが中心でしたが、ひさびさに初心にもどって脳のRNA抽出から始めます。震災でやられた実験機器はほとんど更新できましたが、かなりの試薬や消耗品が散逸してしまっていることに気が付きました。一から揃えるには相当の予算が必要ですが、震災直後は2度とこのラボでは実験できないと思っていたので、また実験できることを素直に喜びたいと思います。ありがたい。大阪バイオ研についてのニュースを見ると研究を続けられることのありがたみをいっそう感じます。

【参考】
”NATURE NEWS BLOG Osaka Bioscience Institute fights for survival”
(22 May 2012)

http://blogs.nature.com/news/2012/05/osaka-bioscience-institute-fights-for-survival.html?utm_source=twitterfeed&utm_medium=twitter&utm_campaign=Feed%3A+news%2Frss%2Fnewsblog+%28News+Blog+-+Blog+Posts%29
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by atsutoyoda | 2012-05-23 19:22 | 震災、原発

中間テスト、学生実験

講義担当している「生化学」の小テストをやりました。1問目で細胞内小器官を4つ選んで説明してもらい、2問目はDNA複製、3問目はセントラルドグマを説明してもらいました。教科書、ノート持ち込み可で記述式ですが、学生間でかなりの差が出ます。モチベーションがそのまま解答に表れるようで点数を付けると非常に多くのことを物語ります。この生化学を受講するのが何度目かのX君は、今までは凄まじい出来の答案でした。今日は見違えるような答案を作って来ました。顔つきも違いますから、きっと変化があったことでしょう。不出来な答案に中途半端に単位を出して社会に放り出すよりも、この変化を期待して待つ事も教員のだいじな仕事のような気がしています。その積み重ねが大学の評価になるのでしょう。

午後は動物系2年生の学生実験でしたが、レポートの書き方を教えるという内容でした。レポートと学術論文の構成を説明しました。実地訓練で学術論文を読んでもらいました。材料にしたのは管理人のラボで出した論文ですので、英文が難しいということはないですが、単語は初見で手こずったかもしれませんね。卒論ではこのくらいの実験をしてもらいますと言うと、学生が引いていく感じが伝わって面白かったですが。2年生の今のうちから手こずっておくと4年生になってから論文を読むのがかなり楽になるはずです。4年生で論文をたくさん読んでいる学生の卒論はかなり質の良い物になることが多いです。実験以外の時間は常に廊下のソファーで寝転んで論文を読んでいた学生がいましたが、あっという間に内定をいくつも取ってきたことを思い出します。
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by atsutoyoda | 2012-05-22 19:29 | 教育

高校同窓会

先日、管理人が高校一年の時にお世話になった担任のAM先生をお迎えして恵比寿で同窓会をしました。北海道や秋田からの参加者も含めて30名集まりました。このクラスはとても居心地が良くて、小学校から大学まで在籍したいろいろなクラスの中でもとびきり印象深いクラスです。もちろん生徒の仲が良くまとまっていたということもありますが、AM先生のキャラクターが生徒とうまく調和したということではないかと思っています。27年前ですから記憶も曖昧になっているのですが、AM先生の初めての担任クラスだったと思います。当時30そこそこだったと思いますが、前向きで元気の良い先生でした。今ではありえないでしょうが、体育祭などイベントの後に、「これで打ち上げしてきなさい」とカンパするような先生でした。そのままゾロゾロと渋谷に繰り出したものです。クラス一同、説教を喰らうこともありました。「私は女として生きていくためには学問で勝負するしかないと思って大学院に行った」というようなことで説教された記憶があるのですが、中学までの女性教師との違いに唖然とした記憶があります。凄まじい気合でした。

久しぶりにAM先生とお話して、改めて先生から影響をたくさん受けていると実感しています。AM先生の専門は日本史ですが、管理人は授業を聞いたことが一度もないのですね。そうであっても影響を受けているということですから、教育の意味を考えます。管理人が研究者として生きていこうと考えるようになったのも、AM先生との何気ない会話が影響しています。たぶん、「説教」も効いています。あな恐ろしやです。
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by atsutoyoda | 2012-05-21 19:17 | 教育

大阪バイオサイエンス研究所

大阪バイオサイエンス研究所(OBI)の大阪市からの支援が毎年25%削減され、平成27年度には支援を取りやめるという結論が大阪市の市政改革本部で決定されたとのことです。現在は年間6億円の支援をしているということですが、今後は自律的経営を求められることになります。

OBIは管理人が大学院生の頃に1年ほどお世話になりました。研究所としては非常に恵まれた環境でした。当時は長田重一先生が在籍していて、アポトーシスの分子生物学の興隆を目の当たりにしたものでした。早石先生や花房先生が普通に所内を歩いておられるのも不思議な感じでした。まあ、大学院生にしてみれば夢の様な環境だったと言えます。OBIにいたのは20年ほど前ですが、この20年間の業績は凄まじいものです。あの小さな研究所でよくもまあこれだけの業績を出せるものだと思っていました。

大阪市長が変わってからいろいろありますね。科学研究の価値を評価できない人が首長になると、どんな画期的な研究成果を出していてもこのような扱いを受けるということです。あの「事業仕分け」が蘇りますが、OBIほどの研究所であれば欲しがる大学はいくらでもありそうです。うちのような地方大学にOBIみたいな研究所があったら、とても刺激になります。ある役所の勉強会で各地方大学にミニ理研を作ろうという案を議論したことがありますが、地方大学での研究の活性化のためには、それぞれの大学に小さくても良いからトップレベルの拠点が欲しいものです。

週明けは学長選挙です。不勉強で選挙戦の論点がよくわかりませんが、「地方は地方なりに」みたいな機能別分化路線はもう飽きました。地方であっても研究機能の強化という議論がもっと必要だと思うのですが、あまり聞こえてきません。

【参考】
「OBIパブコメについてのtogetter」
http://togetter.com/li/303821

「OBIホームページ」
http://www.obi.or.jp/
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by atsutoyoda | 2012-05-18 19:47 | 科学技術政策