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茨城大学農学部飼料資源科学研究室公式ブログ。研究内容、教学支援、講義内容などを発信していきます。
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<   2012年 06月 ( 18 )   > この月の画像一覧


豊田長康先生のブログ

昨日27日の豊田長康先生のブログはかなり話題になっているようですね。今回はScopusによる各国の論文数の推移を見ていますが、今まで以上に衝撃的なグラフです。ただし、地方国立大学の現場で教員をしているとそれほど不思議に思えないことも事実です。まあそうだろうなというのが率直なところです。私達の研究活動の状況を如実に表していると思えるからです。もともと地方国立大でギリギリの予算とスタッフで何とか研究成果を出していたモチベーションの高い教員の多くが、研究以外の業務に忙殺されるようになってしまっているということでしょう。概して、研究の出来る人のところに雑用も集まるものですから、論文の生産性が落ちるのも当然ですね。また、研究スタッフ、地方の場合、多くは学生の力が頼りなのですが、就活などで充分に研究時間を割けない状況もあるでしょう。就職が決まると今度は研修とかで呼び出される。また、「大学院教育の実質化」の結果、座学優先でラボでの教育は二の次という感じです。お陰で修士課程の学生の研究時間も大幅に減りました。博士課程の学生でさえまとまった時間の座学があります。

地方から見ると、「選択と集中」で充分な研究費と人材が回ったところが我々の穴を埋めてくれれば、日本の論文生産数も減らないのでしょうが、そうはなっていないということでしょう。選択と集中で「穴」を埋められないとすると、今回の大学改革で「世界の研究拠点」大学を作っても所詮は今までどおり「穴」は埋まらないのではと思えますが、杞憂に終われば良いですね。大学改革など地方大に関係することで我々には関係ないなどと他人事のようにコメントしていた旧帝大学長がいましたが、よっぽどの戦略をお持ちなのだろうと思います。是非、開陳していただきたいです。

【参考】
「あまりにも異常な日本の論文数のカーブ」(ある地方大学元学長のつぼやき)
http://blog.goo.ne.jp/toyodang/e/26f372a069cbd77537e4086b0e56d347
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by atsutoyoda | 2012-06-28 20:30 | 科学技術政策

TED

ときどきTEDを見るようになったのですが、下記のプレゼンテーションはラボや組織運営にもヒントになります。新米PIにはとても参考になります。学生や研究員がどういう状況で最大パフォーマンスを発揮するのかを我々はもっと勉強すべきなのでしょう。FDでもそういうニュアンスの研修はないです。ラボマネジメントを教えられる人があまりいないということかもしれませんが、FD研修してほしい分野です。

話は変わりますが、このプレゼンを聞いていると、伝統的な報奨(つまり競争的な交付金)を競い合って各大学が改革しているうちは、抜本的な改革など不可能だと言われているような気もします。

「キャリアアナリストであるダニエル・ピンクが、社会科学者が知っていて多くのマネージャが知らない『伝統的な報奨は我々が考えているほど有効ではない』という事実を手始めに、やる気の謎を調べます。」

【参考】ダニエル・ピンク 「やる気に関する驚きの科学」(TED)
http://www.ted.com/talks/lang/ja/dan_pink_on_motivation.html
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by atsutoyoda | 2012-06-27 23:30 | 教育

イノシシ

茨城県石岡(筑波山周辺でしょう)のイノシシから放射性セシウムが検出されています。筑波山麓八郷の懇意にしているイノシシ料理屋はすでに県外からイノシシを買っているとのことでした。筑波山のイノシシはとてもうまいのですが、残念ながらそういう状況です。震災前から筑波山周辺では鉄砲撃ちが減っていたので、イノシシによる農業被害が増えていたそうです。食肉として売れないとなるとますます筑波山周辺で狩猟する人が減ってイノシシによる農業被害が増えそうです。イノシシと一対一で対峙するときの話などを聞くと、猟師になるのはとても大変だということが分かります。まさに命がけです。農業被害を防ぐために命がけで害獣駆除している人がいるわけですが、意外とその大変さは知られていないかもしれません。イノシシだけでも全国の農業被害は50億円以上になります。

【参考】食品中の放射性物質の検査結果について(第421報)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/copy_of_copy_of_copy_of_copy_of_copy_of_copy_of_copy_of_2r9852000002d472.html
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by atsutoyoda | 2012-06-26 23:47 | 震災、原発

新編畜産ハンドブック

昨日は地方上級の公務員試験でした。管理人の研究室からも何名か受験しました。畜産職の募集は多くはありませんが、年々、周辺で公務員試験を受験する学生が増えてきているように思えます。公務員希望の学生はご存知かもしれませんが、下記の参考書は使えるでしょう。学部2、3年生で来年公務員試験を受ける人はこの本でじっくり勉強してみてください。執筆者を見ると畜産研究者の世代交代が進んだなという気がしますが、この本で勉強すれば効率の良い試験対策になると思います。うちの動物系の講義でこのハンドブックを使っている教員はいないようですが、動物生産の学生は一冊持っていても良いでしょう。

【参考】
「新編畜産ハンドブック」(講談社)
扇元敬司/桑原正貴/寺田文典/中井裕/清家英貴/廣川治・編
ISBN978-4-06-153724-8定価(税込)9,975円
http://www.kspub.co.jp/book/detail/1537248.html
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by atsutoyoda | 2012-06-25 19:49 | 教育

国家戦略としての科学技術イノベーション政策

今日は学位審査で宇都宮大学に行きました。審査後の席で話題になるのはやはり大学改革のことでした。席上、ある先生が文科省に振り回されるだけではなく、目の前の学生を観察してそれぞれの大学や学部改革の独自案を出さないと駄目だというようなことを言っていました。確かに現場の実態をよく把握できないままにミスマッチな改革をしたところで結果は目に見えています。ラボに戻ってTwitterを眺めていたらこんな議事次第が出てきました。CSTPは久々に表に出てきたという感じがしますが。

【参考】
「科学技術政策担当大臣等政務三役と総合科学技術会議有識者議員との会合」(平成24年6月21日)
議題
(1)国家戦略としての科学技術イノベーション政策について(その5)
(2)平成25年度科学技術関係予算の重点化について(非公開)

http://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/yusikisha/20120621.html
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by atsutoyoda | 2012-06-21 23:55 | 科学技術政策

国立大学改革実行プランに対する学長の反応

昨日19日に国立大学長を集めて国立大学改革実行プランの説明会があったそうです。この改革プランに警戒する学長の意見がずいぶん出ているようですが、これは当然の反応でしょうね。ただ、この日経の記事に紹介されているような学長の発言ははたして納税者に理解されるかです。法人化して10年も経たないのにまた大幅な改革を迫られることに不満が出ることも分かりますが、日本はもうそういう不満を言っておられる状況ではないということだと理解しています。「◯◯村」とか言われて国民に見放される前に手をうっておかないとまずいです。

というわけで、ブログ管理人も以前からこの大学の「新しい取り組み」に関するプランを練っているのですが、上が改革に対して後ろ向きでは何のために苦労しているか分かりません。ラボにこもって研究していたほうがよっぽど有意義です。

【参考】
「国立大改革実行プラン、警戒感強く 「合理化優先」 」(日経新聞2012/6/19 20:48)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1904P_Z10C12A6CR8000/
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by atsutoyoda | 2012-06-20 19:57 | 大学

科学技術白書

平成24年版の科学技術白書が出ましたが、第2節に下記のように明記されています。気になります。

「しかしながら、今回の地震・津波や原子力発電所事故により、科学者や技術者に対する国民の信頼感は低下したと言わざるを得ない。」

断言されていますね。地震や原発に直接関係しなさそうな研究分野にも影響が出ているようです。平成23年の12月に実施された科学技術政策研究所「科学技術に関する意識調査」では、遺伝子組換え食品の安全性に対する不安も震災前より高まったとする人が40%近くもいます。科学技術全般について不安感が増しているということでしょうか。特に農学研究は食の安全や安心に直結しますので、今後の研究動向を左右することにもなりかねない事態だと思えます。

アウトリーチが大事なことは事業仕分けで痛感しましたが、一層の努力が必要だと改めて認識しました。「2位じゃダメなんですか?」のときよりも、今のほうがヘビーな状況でしょう。

【参考】
「平成24年版 科学技術白書 本文(PDF版)」
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpaa201201/detail/1322246.htm

「第2節 科学技術政策に問われているもの」(科学技術白書)
http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2012/06/15/1322246_007.pdf

「科学者や技術者の信頼が低下」 12年版科技白書
(日経新聞2012/6/19 10:16)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGG1802P_Z10C12A6EB2000/
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by atsutoyoda | 2012-06-19 19:07 | 科学技術政策

Resident-Intruder Paradigm

マウスでResident-Intruder paradigmを始めました。アメリカのEric.Nestlerたちが使い始めてから注目されていますが社会的敗北動物、つまり一種のうつ病モデル動物を作る方法です。少し身体の大きいCD-1をResidentにして、C57BL6/JをIntruderにして喧嘩させるという定法です。Intruderが社会的に敗北して、この敗北を長期間経験させる方法です。抗うつ剤の奏功パターンからもうつ病の良いモデルになるのではないかと考えられています。今まであえてこの定法は試みていなかったのですが、やはりResidentのCD-1の社会行動に幅があります。IW君が苦労して立ち上げたウイスターラットの系もそうですが、Intruderを社会的敗北させられるような攻撃的な個体ばかりではないことが分かります。バリバリ攻撃するCD-1がいるかと思うと、Intruderに近寄っていってグルーミングを要求するような個体や雄のResidentに交尾を試みる個体もいたりします。担当のTY君は大変でしょうけど、この過程はなかなか興味深いです。この「個性」を規定するものはなんだろうか?と思います。深みにハマるかもしれませんが、学生にはこうした日々の行動観察を大切にして欲しいと思います。だれも気がついていない良いテーマが隠れているかもしれません。教科書通りにいかないときにはチャンスがあると思ってください。せっかくの「放牧」研究室なのでその良さを十二分に活かしていただきたいと思います。
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by atsutoyoda | 2012-06-15 23:41 | 研究

平成25年度概算要求

下記のポンチ絵の21ページにさり気なく凄いことが書いてあります。
「(注)平成25年度概算要求からメリハリある配分を更に進めることとし、エビデンスに基づき既配分額の減額を行う。」
各大学とも25年度の概算要求の作業はちょうど佳境を迎えているはずですが、この6月に発表された一連の大学改革プランで修正を余儀なくされていることでしょう。管理人も翻弄されているわけですが、トップダウンで指示がくるわけでもないので、管理人なりの改革ビジョンを申請書に表現してみようと思います。農学部ミッションの再定義などはもともと持論があるので展開してみていますが、狭い専門分野の蛸壺に入ったような方には支持されないだろうという内容です。いつもどおりに学内で脚の引っ張り合いをしていたら、この先この大学がどうなるかは容易に想像つきます。

【参考】
「大学改革実行プラン~社会の変革のエンジンとなる大学づくり~」(文科省平成24年 6月)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/24/06/__icsFiles/afieldfile/2012/06/05/1312798_01_3.pdf
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by atsutoyoda | 2012-06-14 23:05 | 大学

Allen Institute for Brain Science

これからラボでIn situ hybridizationの実験系を立ち上げるので、今日はこの業界では有名な下記のサイトにかなり滞在して情報収集しました。3Dの画像など圧巻です。美しい。サイトを徘徊してかなり楽しみましたが、このようなサイトを無償で公開してしまう凄さを実感せざるを得ません。

"The Allen Institute for Brain Science is an independent 501(c)(3) nonprofit medical research organization dedicated to accelerating the understanding of how the human brain works in health and disease. Using a team science approach, the Allen Institute generates useful public resources used by researchers and organizations around the globe, drives technological and analytical advances, and discovers fundamental brain properties through integration of experiments, modeling and theory. Our work and efforts are intended to fuel discovery for the broader scientific community worldwide.
The Allen Institute was launched in 2003 with generous seed funding from founder and philanthropist Paul G. Allen and is supported by a diversity of public and private funds."

このパワー凄いですよね。

【参考】
"Allen Institute for Brain Science"
http://www.alleninstitute.org/index.html
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by atsutoyoda | 2012-06-13 20:50 | 研究