Ami Express


茨城大学農学部飼料資源科学研究室公式ブログ。研究内容、教学支援、講義内容などを発信していきます。
by atsutoyoda
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被災地のこどもたちの成長

朝からNHKで気になるニュースをやっていました。被災地のこどもたちの成長についてです。宮城県の被災地での調査ですが、小学生500人のうち100人以上に、通常よりも体重が増加したり、または減少するケースが見られたそうです。日本成長学会が公表したデータだそうです。心理的ストレスが原因ではないかという見解です。実は昨年11月にも似たようなニュースがありました。郡山市の幼稚園児の事例です。この時は体重の増加が抑制されたというデータでした。管理人はこれを当時のブログに書いていました。抜粋してみます。

「福島県郡山市の幼稚園児240人余りについて、ことし6月までの1年間の体重の増え方を調べたところ、去年の同じ年齢層の4分の1程度にとどまっていたことが分かり、調査した小児科医は『原発事故で外遊びができず、食事の量が減るなどしたのではないか』として、追跡調査の必要性を指摘しています。」


わたくしたちは大人のマウス、ラットを用いて社会的、あるいは心理的ストレスが摂食や体重にどのような影響を与えるのか見ているのですが、ストレスに対してはSensitiveに反応します。成長期ではまたためしてませんが、もっとレスポンスするのかもしれません。

ラボではこれからさまざまな社会的、心理的ストレスモデルを作製しようと準備しているのですが、私たちの研究もポスト3.11の課題のひとつにすこしはお役にたてるかもしれません。かなり重要なミッションであると思えます。


【参考】
「被災地の子どもたち 成長に異変」(NHKおはよう日本特集まるごと2012年11月29日(木))
http://www.nhk.or.jp/ohayou/marugoto/2012/11/1129.html

「なぜ体重の増加が抑制されるのか」
http://atsutoyoda.exblog.jp/13967083/
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by atsutoyoda | 2012-11-29 23:47 | 震災、原発

フクレミカンサンプリング

福来(フクレ)ミカンが完熟したという知らせを受けたので、筑波山麓の真壁にサンプリングに行って来ました。ちょうど酸味と甘味が絶妙です。種が多いのが欠点なのですが、充分に消費者に受けるのではないかという味です。皮は七味唐辛子の香りづけにつかうので商品価値があるのですが、実の方はいまいち用途がないそうなのですね。実の価格は皮の10分の1とかで廃棄されることもあるとか。地元の財産だというのにもったいない話です。茨城県南部以外ではなかなか手に入らないかもしれませんが、筑波山観光などで機会があったら食べていただきたいと思います。
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by atsutoyoda | 2012-11-20 20:11 | 研究

関東畜産学会

今日は朝から関東畜産学会の準備に追われました。昨年、今年と私たちの学部が関東畜産学会の当番校なのです。今年は阿見キャンパスを会場としました。一般演題、ポスター、特別講演全てで20演題くらいの小規模な学会ですが、その分、濃密にディスカッションができるメリットもあります。特別講演ではつくばの動物衛生研究所の百渓先生がヨーネ病についてご講演されました。ヨーネ病の病原菌は家畜や野生動物に感染し、下痢を引き起こし、広範に伝染する病気だそうですが、人のクローン病の原因にもなりうるという恐るべき講演内容でした。この病原菌はミルクや肉などの畜産物にも混入してくるそうです。ミルクを殺菌しても、サバイブする菌がある程度でてきてしまい、かつ、抗原は滅菌しても壊れないような菌体表層の脂溶性分子なのです。日本はともかく、海外の家畜の感染率は高いらしく、畜産物の汚染は深刻だとか。チーズ、粉ミルクなど輸入した乳をベースとした製品のリスクについてもお話がありました。政府や業界からの圧力の話も出てきましたが、差支えがあるのでここではやめておきます。粉ミルクなどは乳児が飲むわけですから、恐ろしい話です。

管理人の研究室の4年生もポスター発表しました。社会性敗北モデルマウスの体重変動を調べた研究と、同じく社会性敗北モデルラットの摂食抑制メカニズムを調べた研究です。マウスの発表をしたTY君は優秀発表賞を受賞しました。ありがたいことです。畜産の研究なのになぜ実験動物としてマウスを使うのかというような時代錯誤的なコメントももらったということですが、まずは良かったです。畜産研究におけるマウス、ラット、(場合によってはショウジョウバエ)の有用性は、意外と畜産研究者には認識されていないようなのです。大掛かりな家畜研究の前にラット、マウスでできることはたくさんあるわけですが。

午後の特別講演は、つくばの畜産草地研究所の鈴木チセ先生が乳酸菌の健康機能性についての研究紹介がありました。免疫系をターゲットとした研究でしたが、管理人が中枢はやらないのか?と質問したら、某乳業メーカーでこの講演の座長をされていた方が業界ではそういう方向で研究が進んでいるとのことでした。次のターゲットは中枢だそうです。
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by atsutoyoda | 2012-11-10 23:07 | 学会

新人さん

研究室に新人さんの学部3年生が3名入って来ました。今日は個人インタビューをしました。これから一年、何を研究していこうかディスカッションするわけですが、まだまだ右も左も分からない3年生にとって研究テーマを見つけてくるのは大変なことでしょうね。管理人が研究テーマから実験計画などすべて決めてマイクロコントロールで指導しても良いのですが、それはやめています。むかしはそれに近いことをしていましたがやめました。今は、管理人が研究の大枠は示しますが、むしろ自分で考えてくれという態度です。逆にこれが学生にとっては厳しいのかもしれませんが、このご時世、自分でものを考えられない学生を大量に輩出しても具合よくないでしょう。研究の進捗は度外視してそうしています。放牧的教育といううまい言葉を使った大先生がいます。もちろんディスカッションは随時するので変な方向に研究が進むことはありませんが、うまくいく場合とそうでない場合がありますね。学生によってはマイクロコントロールしないとダメなケースもあります。教育スタイルは学生によって使い分けないとダメですね。

大学や学部改革を急ピッチで進めるよう求められているわけですが、研究現場での教育改革はどうすべきか悩みますよね。就活や講義が圧迫して、非常にウエイトが小さくなってきたラボでの実験研究教育のノウハウというのはもっと教員同士で議論して情報交換しても良いと思います。
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by atsutoyoda | 2012-11-08 22:47 | 教育

北米神経科学会漫遊記3

北米神経科学会(ニューオリンズ)に参加している間、ほぼ毎晩バーボン・ストリートに繰り出しました。非常に楽しい、賑やかな通りです。VooDooショップやストリップ小屋もありますが、高校生の頃なじんだ渋谷界隈の雰囲気です。通りで聞こえるのはジャズではなく、ハードロックだったりしますね、しかも80年代の。懐かしく聞きました。この界隈は「Sea Food」が名物ですが、特に大きい牡蠣を食べさせる店が軒を連ねています。夏の東北で食べられる岩牡蠣と同じようにでかいです。管理人もAcme oysterという超有名店に行きました。店の前の長い行列に並びます。牡蠣は生でも食べられるのですが、チーズとBakeしたものをいただきました。赤ワインと合わせましたがこれは良かったです。お薦めです。地ビールも美味しいし、料理もそこそこ美味しいものをいただけるので、夜の食生活は充実していたといえるでしょう。ただし、朝はスタバ、昼は学会場隣のリバーウォークという巨大なフードコートでコーラとハンバーガーなどファストフードを食べていました。やはり肥満している人は目立ちました。

学会場がでかくて毎日15kmくらいは歩いていたので、カロリー消費はそれなりにしていたと思います。
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by atsutoyoda | 2012-11-02 23:24 | 学会

北米神経科学会漫遊記2

SFN2012(ニューオリンズ)に参加してきましたが、初日からお目当てのうつ病モデル研究をリードするマウントシナイのNestlerラボとエールのDumanラボのポスター発表がたくさんありました。全部はじっくり見きれませんでしたが、ストレスモデル作製法の詳細についてかなり勉強できました。Nestler研はChronic social defeatストレスモデルで、Duman研はChronic unpredictable ストレスモデルをもっぱら利用しています。不可侵条約でもあるのか、政治的に興味のあるところです。Social defeatでは、すでに定法となっているCD-1とC57の闘争に加えて、その闘争を透明な壁の向こう側で見せてやるC57の体重挙動が面白かったですね。闘争による物理的なストレスがなくても、闘争を横で見るだけで充分に心理的ストレスがかかっているわけですが、コミュニケーションボックスの応用版のパラダイムでしょう。

ポスター発表に出てきたのはCD-1とC57のSocial defeatパラダイムばかりでしたが、中には別系統の組み合わせを試している人がいて、私達がWistarラット同士で試みたというと妙に意気投合したりしました。方法の詳細はともかく、Social defeatパラダイムによるストレスモデルは、Nestler研だけでなく、かなり幅広く利用されている状況でした。流行りといってもいいでしょう。
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by atsutoyoda | 2012-11-01 22:39 | 学会