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茨城大学農学部飼料資源科学研究室公式ブログ。研究内容、教学支援、講義内容などを発信していきます。
by atsutoyoda
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飼料資源科学特論発表会

大学院修士課程の飼料資源科学特論が終了しました。今年度は下記の3つの課題について調査し、本日その成果の発表会を行いました。事前の宣伝が足りなかったのか聴衆がほとんど集まらなかったのですが、かなりディープな議論ができました。

演題1:「福島第一原発事故による子どものこころとからだへおよぼす影響」(小池広明、豊田淳)
演題2:「東日本大震災および福島第一原発事故による農家の被害と現状」(岡部慎也、小澤翠)
演題3:「自然災害による家畜へのストレス」(木村圭史郎、Windi Alzahra)


演題1では、原発事故以降に福島県での子供の体重変化についての話題でした。事故後に郡山市の幼稚園児の体重増加が通常の4分の1に減少したこと、その後、福島県の肥満傾向児の割合が増加したことなどを紹介されました。特に郡山市の幼稚園児の体重データでは、理論的に原発事故後に子供の体重が減少していたことになり、これは長期的に見ても非常に懸念されることであると思えます。

演題2では、原発事故後以降の福島県農業の現状を紹介されました。福島県では事故後に耕地の利用率が減少し、野菜の平均単価も09年度比で80%とのことでした。モモ、ナシなどの特産品価格も低迷し、農家人口も5%減で新規就農者数の低下が顕著だとのことです。ただし、福島フルーツマイスター制度のような仕組みでネット通販などを活用する取り組みも徐々に出てきている状況を紹介してくれました。

演題3では、原発事故後の福島県の畜産とインドネシア火山噴火と畜産について発表されました。とくにインドネシアからの留学生Windiさんが流暢な英語でインドネシアのMerapi火山が如何に酪農に影響を与えたかについての紹介がありましたが、火山灰で牧草、水が汚染し利用できなくなり、一時的に90%以上も生乳の生産が減少したとのことでした。

大災害でわれわれは何を学んだのか、またこれからどうすべきなのか、事あるごとに議論すべきだと思いますが、この特論の講義は管理人にとっても良い機会になっています。
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by atsutoyoda | 2013-06-07 19:16 | 教育

退職記念パーティー

先週末は京都、先々週末は神戸に行って来ました。管理人の恩師の退職記念パーティーに参加するためです。独立行政法人家畜改良センター理事長を退職された矢野秀雄先生と神戸大医学部を退職された高井義美先生です。高井先生については特命教授として神戸大に残られて、さらに研究と後進の指導にあたられるそうです。

管理人は農学部生時代に矢野先生のご指導を受けました。当時の矢野研究室では基本的には自分で研究テーマを探し出し、自力で実験計画し、データを出して、論文化するという、いわば先発完投型の研究スタイルでした。先輩のSTさんと相談してテーマ設定から実験手法まで自力でものにするという感じで、ボウっとしていると何もしないで過ごすことが可能というラボでした。いわば放置プレーでした。医学部生理(玄蕃央恵先生)のラボに押しかけて、電気生理学の手習いをしたのもこの時代でした。おおらかな時代でしたが、積極的に動いたらそれなりのことが得られる環境でした。まずは、自力で動いて、手を動かさなあかんというのを嫌というほど刷り込まれた学部4回生でした。少々の図々しさもプラスに働いたと思います。またそういう図々しさを、年長者がしゃーないな、と受け流す文化もあったようです。

自力で動いた結果、当時、ERATOのプロジェクトを主宰されていた高井先生に拾ってもらうことになりました。まともな就職活動もしておらず、まさに、高井研に転がり込んだという感じですが、高井研ではテーマや実験計画がガッチリ管理されていて、我流は許さない、先発完投型というよりもどちらかというと分業型というスタイルでした。その環境の違いに戸惑いながらも、データのアウトプットから論文化までの効率の良さに感心したものでした。現在までのご業績は516本の原著論文と著書96篇、総説225篇ということだそうです。

若い時に両極端な運営法のラボに身を置けたことは、今、PIになってみてわかりましたがとても良い経験だったと思えます。今のラボに就職して、PIになる前から管理型運営にしたり、超放置プレイにしたりといろいろ試していますが、なかなかよい解答は得られませんね。どちらの運営法でも人材を輩出できることは、両先生のラボ卒業生を見れば分かるのですが、よりいまの環境にフィットしたラボ運営法の模索は続きます。高井研OBのF先生がイギリスでPIをやっていた時に、高井研スタイルでラボ運営したら、「テクニシャンをつくるんか?!」と同僚に言われたそうですが、高井研から出た優れたPIのことを考えれば、テクニシャンを作る教育法でないことは自明です。

学生さんの基質も刻々と変わっているように思えますから、ラボ運営法のFDとかしてもらうとたいそうありがたいですね。
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by atsutoyoda | 2013-06-04 20:47 | 研究