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茨城大学農学部飼料資源科学研究室公式ブログ。研究内容、教学支援、講義内容などを発信していきます。
by atsutoyoda
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佐藤英明先生学士院賞受賞

ブログ管理人の学部学生時代の恩師で東北大の佐藤英明先生が学士院賞を受賞されました。つい先日、英明先生(佐藤先生ではなく英明先生と呼ばせてください)の最終講義を聞いてきたところで、そのあとじっくりお話する機会を持てました。300年後の畜産を考えよというメッセージを頂き、我々のような中堅を発奮させるような講義内容でした。先生には20年以上もご指導いただいており、最近では若輩理事として畜産学会の運営についてご相談することも多いのです。また、英明先生のラボでスタッフをやっている星野由美さんがうちの講座の卒業生なのですね。星野さんは学部生の時から人一倍チャレンジングで努力の人でしたから、英明ラボに大学院進学して評価されたのでしょう。卒業生が偉大な恩師に評価されるというのもうれしいものです。

管理人が学部学生時代に英明先生は京大畜産学科の生体機構学研究室の助教授をされていましたが、わたしが学部4回生になるときに、東大医科研に移られました。そこで私は医科研に出向いて進路の相談をしたことがあります。畜産学から神経科学に専門をシフトしたいという相談をしたのですが、英明先生は厳しい現実を指摘しながらも、「君みたいなキャラクターの人は一度外の空気を吸ったほうが良い」と言われ、エンカレッジされたことを思い出します。英明先生も「私も医科研に来て、新たにチャレンジするんだ」と仰られていました。先週、お会いした時にも医科研で過ごした4年間がご研究の分岐点だったと仰っていました。私にとってもあの医科研での相談が分岐点になっています。縁があって農学部に戻りましたが、一度外の空気を吸わなかったら今の自分は無かったでしょう。偉大なメンターの受賞を誰よりも喜んでいます。


「日本学士院賞に松浦氏ら9人」(朝日新聞デジタル)
http://www.asahi.com/culture/update/0312/TKY201303120259.html
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# by atsutoyoda | 2013-03-13 23:22 | 教育

論文発表会

今日は卒論発表会でした。動物系の7つの研究室が合同で発表会を催すのですが、各研究室の個性が出て面白いです。卒論発表後の学生の行動も興味深いものがあります。発表を終えるとすぐさま研究を終了する人と、往生際悪く?年度末ギリギリまで頑張る人がいます。今日は修論審査を終えたOくんがやってきて、もうひとつ実験をしたいと言い出したのでびっくりしました。すでに修論には間に合わなかった実験を今ひとつやっているところなのですが、さらにもう一実験やりたいというのですね。ある農産物の給与試験なのでそれなりに手間がかかるのですが、3月末までやりたいそうです。Oくんには失礼ですがこれは意外でした。教員冥利につきる瞬間ですね。あとの卒業「予定」メンバーもギリギリまで頑張るみたいで頼もしいものです。こういう先輩の姿は後輩に影響するだろうと思います。こうしたちょっとした積み重ねがラボや講座の文化を作っていくのかなと思います。PI2年目なので分かりませんが、良い流れであることは間違いないです。

再来週末は文科省のサイエンス・インカレ、年度末は学会発表が待っていますから、気が抜けないということもありますが、残されたアカデミアでの貴重な時間を存分に活用していただければと思います。
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# by atsutoyoda | 2013-02-14 23:57 | 教育

被災地のこどもたちの成長

朝からNHKで気になるニュースをやっていました。被災地のこどもたちの成長についてです。宮城県の被災地での調査ですが、小学生500人のうち100人以上に、通常よりも体重が増加したり、または減少するケースが見られたそうです。日本成長学会が公表したデータだそうです。心理的ストレスが原因ではないかという見解です。実は昨年11月にも似たようなニュースがありました。郡山市の幼稚園児の事例です。この時は体重の増加が抑制されたというデータでした。管理人はこれを当時のブログに書いていました。抜粋してみます。

「福島県郡山市の幼稚園児240人余りについて、ことし6月までの1年間の体重の増え方を調べたところ、去年の同じ年齢層の4分の1程度にとどまっていたことが分かり、調査した小児科医は『原発事故で外遊びができず、食事の量が減るなどしたのではないか』として、追跡調査の必要性を指摘しています。」


わたくしたちは大人のマウス、ラットを用いて社会的、あるいは心理的ストレスが摂食や体重にどのような影響を与えるのか見ているのですが、ストレスに対してはSensitiveに反応します。成長期ではまたためしてませんが、もっとレスポンスするのかもしれません。

ラボではこれからさまざまな社会的、心理的ストレスモデルを作製しようと準備しているのですが、私たちの研究もポスト3.11の課題のひとつにすこしはお役にたてるかもしれません。かなり重要なミッションであると思えます。


【参考】
「被災地の子どもたち 成長に異変」(NHKおはよう日本特集まるごと2012年11月29日(木))
http://www.nhk.or.jp/ohayou/marugoto/2012/11/1129.html

「なぜ体重の増加が抑制されるのか」
http://atsutoyoda.exblog.jp/13967083/
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# by atsutoyoda | 2012-11-29 23:47 | 震災、原発

フクレミカンサンプリング

福来(フクレ)ミカンが完熟したという知らせを受けたので、筑波山麓の真壁にサンプリングに行って来ました。ちょうど酸味と甘味が絶妙です。種が多いのが欠点なのですが、充分に消費者に受けるのではないかという味です。皮は七味唐辛子の香りづけにつかうので商品価値があるのですが、実の方はいまいち用途がないそうなのですね。実の価格は皮の10分の1とかで廃棄されることもあるとか。地元の財産だというのにもったいない話です。茨城県南部以外ではなかなか手に入らないかもしれませんが、筑波山観光などで機会があったら食べていただきたいと思います。
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# by atsutoyoda | 2012-11-20 20:11 | 研究

関東畜産学会

今日は朝から関東畜産学会の準備に追われました。昨年、今年と私たちの学部が関東畜産学会の当番校なのです。今年は阿見キャンパスを会場としました。一般演題、ポスター、特別講演全てで20演題くらいの小規模な学会ですが、その分、濃密にディスカッションができるメリットもあります。特別講演ではつくばの動物衛生研究所の百渓先生がヨーネ病についてご講演されました。ヨーネ病の病原菌は家畜や野生動物に感染し、下痢を引き起こし、広範に伝染する病気だそうですが、人のクローン病の原因にもなりうるという恐るべき講演内容でした。この病原菌はミルクや肉などの畜産物にも混入してくるそうです。ミルクを殺菌しても、サバイブする菌がある程度でてきてしまい、かつ、抗原は滅菌しても壊れないような菌体表層の脂溶性分子なのです。日本はともかく、海外の家畜の感染率は高いらしく、畜産物の汚染は深刻だとか。チーズ、粉ミルクなど輸入した乳をベースとした製品のリスクについてもお話がありました。政府や業界からの圧力の話も出てきましたが、差支えがあるのでここではやめておきます。粉ミルクなどは乳児が飲むわけですから、恐ろしい話です。

管理人の研究室の4年生もポスター発表しました。社会性敗北モデルマウスの体重変動を調べた研究と、同じく社会性敗北モデルラットの摂食抑制メカニズムを調べた研究です。マウスの発表をしたTY君は優秀発表賞を受賞しました。ありがたいことです。畜産の研究なのになぜ実験動物としてマウスを使うのかというような時代錯誤的なコメントももらったということですが、まずは良かったです。畜産研究におけるマウス、ラット、(場合によってはショウジョウバエ)の有用性は、意外と畜産研究者には認識されていないようなのです。大掛かりな家畜研究の前にラット、マウスでできることはたくさんあるわけですが。

午後の特別講演は、つくばの畜産草地研究所の鈴木チセ先生が乳酸菌の健康機能性についての研究紹介がありました。免疫系をターゲットとした研究でしたが、管理人が中枢はやらないのか?と質問したら、某乳業メーカーでこの講演の座長をされていた方が業界ではそういう方向で研究が進んでいるとのことでした。次のターゲットは中枢だそうです。
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# by atsutoyoda | 2012-11-10 23:07 | 学会

新人さん

研究室に新人さんの学部3年生が3名入って来ました。今日は個人インタビューをしました。これから一年、何を研究していこうかディスカッションするわけですが、まだまだ右も左も分からない3年生にとって研究テーマを見つけてくるのは大変なことでしょうね。管理人が研究テーマから実験計画などすべて決めてマイクロコントロールで指導しても良いのですが、それはやめています。むかしはそれに近いことをしていましたがやめました。今は、管理人が研究の大枠は示しますが、むしろ自分で考えてくれという態度です。逆にこれが学生にとっては厳しいのかもしれませんが、このご時世、自分でものを考えられない学生を大量に輩出しても具合よくないでしょう。研究の進捗は度外視してそうしています。放牧的教育といううまい言葉を使った大先生がいます。もちろんディスカッションは随時するので変な方向に研究が進むことはありませんが、うまくいく場合とそうでない場合がありますね。学生によってはマイクロコントロールしないとダメなケースもあります。教育スタイルは学生によって使い分けないとダメですね。

大学や学部改革を急ピッチで進めるよう求められているわけですが、研究現場での教育改革はどうすべきか悩みますよね。就活や講義が圧迫して、非常にウエイトが小さくなってきたラボでの実験研究教育のノウハウというのはもっと教員同士で議論して情報交換しても良いと思います。
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# by atsutoyoda | 2012-11-08 22:47 | 教育

北米神経科学会漫遊記3

北米神経科学会(ニューオリンズ)に参加している間、ほぼ毎晩バーボン・ストリートに繰り出しました。非常に楽しい、賑やかな通りです。VooDooショップやストリップ小屋もありますが、高校生の頃なじんだ渋谷界隈の雰囲気です。通りで聞こえるのはジャズではなく、ハードロックだったりしますね、しかも80年代の。懐かしく聞きました。この界隈は「Sea Food」が名物ですが、特に大きい牡蠣を食べさせる店が軒を連ねています。夏の東北で食べられる岩牡蠣と同じようにでかいです。管理人もAcme oysterという超有名店に行きました。店の前の長い行列に並びます。牡蠣は生でも食べられるのですが、チーズとBakeしたものをいただきました。赤ワインと合わせましたがこれは良かったです。お薦めです。地ビールも美味しいし、料理もそこそこ美味しいものをいただけるので、夜の食生活は充実していたといえるでしょう。ただし、朝はスタバ、昼は学会場隣のリバーウォークという巨大なフードコートでコーラとハンバーガーなどファストフードを食べていました。やはり肥満している人は目立ちました。

学会場がでかくて毎日15kmくらいは歩いていたので、カロリー消費はそれなりにしていたと思います。
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# by atsutoyoda | 2012-11-02 23:24 | 学会

北米神経科学会漫遊記2

SFN2012(ニューオリンズ)に参加してきましたが、初日からお目当てのうつ病モデル研究をリードするマウントシナイのNestlerラボとエールのDumanラボのポスター発表がたくさんありました。全部はじっくり見きれませんでしたが、ストレスモデル作製法の詳細についてかなり勉強できました。Nestler研はChronic social defeatストレスモデルで、Duman研はChronic unpredictable ストレスモデルをもっぱら利用しています。不可侵条約でもあるのか、政治的に興味のあるところです。Social defeatでは、すでに定法となっているCD-1とC57の闘争に加えて、その闘争を透明な壁の向こう側で見せてやるC57の体重挙動が面白かったですね。闘争による物理的なストレスがなくても、闘争を横で見るだけで充分に心理的ストレスがかかっているわけですが、コミュニケーションボックスの応用版のパラダイムでしょう。

ポスター発表に出てきたのはCD-1とC57のSocial defeatパラダイムばかりでしたが、中には別系統の組み合わせを試している人がいて、私達がWistarラット同士で試みたというと妙に意気投合したりしました。方法の詳細はともかく、Social defeatパラダイムによるストレスモデルは、Nestler研だけでなく、かなり幅広く利用されている状況でした。流行りといってもいいでしょう。
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# by atsutoyoda | 2012-11-01 22:39 | 学会

北米神経科学会

10月12日から18日まで北米神経科学会(SFN)でニューオリンズに博士課程のIW君と行ってきました。ヒューストン経由のUnitedでニューオリンズには夕方遅く着きました。空港から時速70マイルで30分飛ばすと市街地ですが、大きい街ではありません。途中、アメフトの巨大な競技場を通過します。セインツのメインスタジアムですが、3年前にスーパーボールで優勝したチームですね。ホテルは学会場であるコンベンションセンター向かいのマリオットに取りましたが、有名な観光地であるフレンチクオーターのバーボンストリートにも歩いて行けます。街のメイン・ストリートであるカナル・ストリート周辺は夜でも人通りが多く、安全そうなので歩いていましたが、一歩フレンチクオーターから外れると治安が悪いということです。たしかにバーボンストリートとの交差点からカナルストリートを北上したら、人気が少なくなって雰囲気がガラっと変わりました。酔っぱらいも多いです。バーボン・ストリートはさすがに観光名所で賑やかでした。ライブハウス、オイスターバー、VooDooショップ、ストリップが軒を連ねます。高田馬場の栄通りを思い出しました。

実はSFNに参加するのは初めてなのですが、かねてより噂では聞いていましたがあまりに巨大で驚きました。3万人の参加者でポスター会場は呆れるほどでかいのです。毎日15kmくらいは歩いていたようです。会場内だけで毎日10kmは歩いていたのでしょう。お陰で毎日3食の高カロリーな食事でもなんとか太らずに帰ってこれました。足の指にでっかい豆を作って往生しました。あと、会場の冷房が効き過ぎで異常に寒かったです。にも関わらず、皆さんみな薄着でしたね。女性も薄着です。寒がっていたのは日本人だけでしたか。

学会での収穫はまた機会を改めて書きたいと思いますが、こういう世界中から研究者や学生が集まってくる巨大学会には、博士課程はもちろん、是非、学部や修士課程で研究をはじめて間もない学生さんが参加すると良いのではないかと思います。いきなり国際舞台に立つとそれが当たり前になるでしょうし、自分の研究テーマの世界的な位置づけもはっきりするでしょう。大学でのグローバル教育が重要だというわけですから、学部生や修士課程の学生の学会渡航費も予算確保していただくとありがたいですね。
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# by atsutoyoda | 2012-10-25 22:45 | 学会

ノーベル生理学医学賞

山中伸弥先生がノーベル生理学医学賞を受賞されました。大変おめでたいと思います。いつかは受賞されるとは思っていましたが、ずいぶん早かったなというのが正直なところです。肝心の奈良先端科学技術大学院大学の貢献があまり報じられていないようですね。iPS細胞の研究の発端は奈良先なわけですが、なぜiPS細胞のようなチャレンジングな研究が奈良先では可能だったのかをよく精査すべきだと思います。そこにこれからの日本のサイエンスを発展させる鍵があるのではないかと思えるからです。また、医学系の研究者である山中先生がiPS細胞を作ったというのもポイントですね。体細胞クローンを作るところまでは畜産研究者が貢献しているわけです。iPS細胞も畜産研究者が作ってもおかしくはなかったはずですが、それが出来なかったというのもいろいろと考えさせられるものがあります。

独創的な研究を生みやすい土壌とはどのようなものでしょうか?

奈良先端の学長がコメントを出しているようです。下記に引用します。

「山中先生はいつも、奈良先端科学技術大学院大学は私の研究の原点であり、本学に来たからこうした仕事が始められたと言っておられる。今回の受賞は、本学が、山中先生のような若い研究者の優れた先端的な研究を育んできたことも示しており、本学の存在意義を考えたとき、大変意義深いものである。」

【参考】「山中伸弥本学栄誉教授がノーベル生理学・医学賞を受賞」(奈良先端科学技術大学院HP 2012/10/08)
http://www.naist.jp/news/detail_j/topics/1377/
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# by atsutoyoda | 2012-10-08 22:30 | 研究